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修飾タンパク質MRAP2はメラノコルチン-3受容体と直接相互作用してシグナル伝達を増強する

The accessory protein MRAP2 directly interacts with melanocortin-3 receptor to enhance signaling

Research Article

SCIENCE SIGNALING
16 Dec 2025 Vol 18, Issue 917
DOI: 10.1126/scisignal.adu4315

Aqfan Jamaluddin1, 2, Rachael A. Wyatt1, 2, Joon Lee3, Georgina K. C. Dowsett4, John A. Tadross4, 5, 6, Johannes Broichhagen7, Giles S. H. Yeo4, Joshua Levitz3, Caroline M. Gorvin1, 2, *

  1. 1 Department of Metabolism and Systems Science, University of Birmingham, Birmingham B15 2TT, UK.
  2. 2 Centre of Membrane Proteins and Receptors (COMPARE), Universities of Birmingham and Nottingham, Birmingham B15 2TT, UK.
  3. 3 Department of Biochemistry, Weill Cornell Medicine, New York, NY 10065, USA.
  4. 4 Wellcome-MRC Institute of Metabolic Science-Metabolic Research Laboratories, University of Cambridge, Cambridge CB2 0QQ, UK.
  5. 5 East Genomics Laboratory Hub, Cambridge University Hospitals NHS Foundation Trust, Cambridge CB2 0QQ, UK.
  6. 6 Department of Histopathology, Cambridge University Hospitals NHS Foundation Trust, Cambridge CB2 0QQ, UK.
  7. 7 Leibniz-Forschungsinstitut fur Molekulare Pharmakologie (FMP), 13125 Berlin, Germany.
  8. * Corresponding author. Email: c.gorvin@bham.ac.uk

Editor's summary

修飾タンパク質MRAP2は、エネルギーの恒常性を調節するGPCRであるMC4Rの活性を増強する。しかし、これが類縁のMC3Rにも同様に影響するかについては議論が分かれている。Jamaluddinらは、異種発現系においてMRAP2がMC3Rと1:1の化学量論的な比率で結合し、その活性を増強することを明らかにした。MRAP2はMC3Rの内部移行を低下させることで、セカンドメッセンジャーcAMPの産生を刺激するMC3Rの活性を亢進した。この作用は、相互作用に関係している残基の変異、あるいは過体重や肥満の人々で認められるMRAP2バリアントの発現により消失した。MRAP2とMC3RのmRNA発現は、エネルギー恒常性に関与するヒト視床下部ニューロンにおいて空間的に重複していた。これらの結果は、MRAP2がMC3Rと相互作用してそのシグナル伝達を刺激することを示唆するものである。—Wei Wong

要約

中枢メラノコルチン系は栄養をエネルギー消費と結び付けている。メラノコルチン-4受容体(MC4R)は食欲と食物摂取を制御しており、そのシグナル伝達はメラノコルチン-2受容体修飾タンパク質2(MRAP2)により増強される。ヒトにおけるMC4RMRAP2の変異は肥満と関連している。今回われわれは、MRAP2がMC3Rの活性に影響しているか否かを明らかにすることに取り組んだ。MC3RはMC4Rと類似した構造をもち、性成熟、線形成長速度および除脂肪量の蓄積を制御している。単一分子のプルダウンアッセイにより、HEK293細胞においてMC3RとMRAP2は相互作用することが示された。蛍光フォトブリーチ処理の解析から、MC3RとMRAP2はすぐにヘテロ二量体を形成し、通常その比率は化学量論的に1:1であることが明らかとなった。これまでに公表されているヒト単一核および空間トランスクリプトームデータを検索したところ、エネルギーの恒常性と食欲の制御に働く視床下部ニューロンにおいて、MRAP2MC3Rが共発現していることが示された。HEK293細胞においてMRAP2は、MC3R下流のcAMPシグナル伝達を増強し、MC3Rへのβ-アレスチンの動員を阻害し、MC3Rの内部移行を抑制していた。MRAP2によるMC3Rシグナル伝達促進作用は、構造的相同モデルにより相互作用に重要なものとして特定された5つのMRAP2と2つのMC3Rの膜貫通領域の残基のアラニン変異導入により抑制された。さらに、過体重または肥満の人々で認められるMRAP2のバリアントは、MC3Rにより誘導されるシグナル伝達を増強することはなかった。したがってこれらの研究から、MRAP2はMC3R機能の重要な制御因子であることが示唆され、また、エネルギーの恒常性においてMRAP2が重要な役割を裏付けるさらなるエビデンスが得られた。

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2025年12月16日号

Research Article

修飾タンパク質MRAP2はメラノコルチン-3受容体と直接相互作用してシグナル伝達を増強する

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