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Ca2+チャネルCaV1.2の活性がドパミンシグナル伝達によって刺激されると空間的ワーキングメモリが増強される

Stimulation of Ca2+ channel CaV1.2 activity by dopamine signaling augments spatial working memory

Research Article

SCIENCE SIGNALING
9 Dec 2025 Vol 18, Issue 916
DOI: 10.1126/scisignal.adp7760

Kwun Nok Mimi Man1, †, *, Sarah L. S. Rougé1, Ruben A. Berumen1, Ariel A. Jacobi1, Justin C. Weiner1, Shawheen Y. Naderi2, Kyle E. Ireton1, Zoila M. Estrada-Tobar1, Zhuoer Zeng1, Joseph M. Martinez1, Yang K. Xiang1, 3, Madeline Nieves-Cintrón1, Manuel F. Navedo1, Peter Bartels1, Mary C. Horne1, Johannes W. Hell1, *

  1. 1 Department of Pharmacology, University of California, Davis, CA 95616-8636, USA.
  2. 2 Department of Statistics, University of California, Davis, CA 95616-5270, USA.
  3. 3 VA Northern California Health Care System, Mather, CA 95655, USA.
  4. † Present address: Max Planck Florida Institute for Neuroscience, Jupiter, FL 33458, USA.
  5. * Corresponding author. Email: kn.mimi.man@mpfi.org (K.N.M.M.); jwhell@ucdavis.edu (J.W.H.)

Editor's summary

ドパミンシグナル伝達は、シナプス結合の強度を変化させてさまざまな認知機能を支援する。Manらは、海馬においてドパミン受容体がCa2+チャネルと協力してワーキングメモリを調節し、それによって問題解決と意思決定を支援することを明らかにした。培養マウスニューロンでは、ドパミン受容体が活性化すると、近傍のL型Ca2+チャネルがキナーゼPKAによってリン酸化され、それによってCa2+流入が促進された。PKAによってリン酸化できない変異型カルシウムチャネルを発現するマウスでは、空間的ワーキングメモリが損なわれていた。これらの知見は、ドパミンによって支援される学習の機構について、より深い洞察を与えるものである。—Leslie K. Ferrarelli

要約

ドパミンは、さまざまな形態の学習に必要なニューロン活性とシナプス可塑性を駆動する。また、D1様ドパミン受容体D1およびD5の活性化を介して短期的なワーキングメモリを支援する。本稿でわれわれは、L型Ca2+チャネルCaV1.2が海馬の錐体ニューロンにおけるD1/5シグナル伝達のきわめて重要なメディエータであることを明らかにした。培養マウス海馬ニューロンでは、D1/5作動薬によって神経細胞体のCaV1.2を介した流れと樹状突起のCa2+流入が増加した。この作用は、セカンドメッセンジャーcAMPおよびcAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)を介して調節されており、PKAはCaV1.2 α1サブユニットのSer1928をリン酸化した。CaV1.2およびD5は共局在していたことから、このシグナル伝達は空間的に制限されていることが示唆された。野生型マウスでは、D1/5作動薬によって空間的ワーキングメモリが促進されたが、同腹のCaV1.2 α1 S1928Aノックインマウスでは促進されなかった。これらの知見は、ドパミンに駆動される認知の実行機能を支援する主要なD1/5シグナル伝達エフェクターとしてCaV1.2を同定するものである。

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