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Wnt依存性のFrizzledクラスター化はDishevelledのリン酸化に必要であるがβ-カテニンの安定化には十分でない

Wnt-dependent Frizzled clustering is required for Dishevelled phosphorylation but insufficient for β-catenin stabilization

Research Article

SCIENCE SIGNALING
7 Apr 2026 Vol 19, Issue 932
DOI: 10.1126/scisignal.aec0204

Sarah Moldaver1, 2, †, Pierre E. Thibeault2, †, Mélanie Robitaille3, 4, Aaron Au2, 5, Sichun Lin2, Graham MacLeod2, Harald J. Junge6, 7, Melissa V. Gammons8, Christopher M. Yip1, 2, 5, 9, Stephane Angers1, 2, 3, *

  1. 1 Department of Biochemistry, Temerty Faculty of Medicine, University of Toronto, Toronto, ON, Canada.
  2. 2 Donnelly Centre for Cellular and Biomolecular Research, University of Toronto, Toronto, ON, Canada.
  3. 3 Leslie Dan Faculty of Pharmacy, University of Toronto, Toronto, ON, Canada.
  4. 4 School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences, University of Queensland, Woolloongabba, QLD, Australia.
  5. 5 Institute of Biomedical Engineering, University of Toronto, Toronto, ON, Canada.
  6. 6 Department of Ophthalmology and Visual Neurosciences, University of Minnesota, Minneapolis, MN, USA.
  7. 7 Graduate Program in Molecular, Cellular, Developmental Biology, and Genetics, University of Minnesota, Minneapolis, MN, USA.
  8. 8 Cambridge Institute of Medical Research, Department of Medical Genomics, University of Cambridge, Cambridge, UK.
  9. 9 Department of Chemical Engineering and Applied Chemistry, University of Toronto, Toronto, ON, Canada.
  10. † These authors contributed equally to this work.
  11. * Corresponding author. Email: stephane.angers@utoronto.ca

Editor’s summary

転写コアクチベーターであるβ-カテニンのWnt誘導性の安定化は、細胞内タンパク質DvlのWnt受容体Fzdへの動員に依存し、この動員は、Fzdのコンホメーション変化ではなく、Wntを介する受容体のクラスター化に依存すると考えられている。Moldaverらは、ヒト細胞株において、Fzdのクラスター化が、Dvlの動員とリン酸化に十分であることを見出した。Wntの共受容体であるLRP5/6は、Dvlの動員には必要でなかったが、β-カテニンの安定化に必要であった。Dvlの動員とβ-カテニンの安定化は分離できるという結果は、Dvlの動員によって、β-カテニン依存性とβ-カテニン非依存性の両方のWntシグナル伝達が生じうる仕組みの解明に役立つ可能性がある。—Annalisa M. VanHook

要約

Wnt–β-カテニンシグナル伝達は、Wntリガンドが受容体のFrizzled(Fzd)およびLRP5またはLRP6(LRP5/6)に結合すると開始され、転写コアクチベーターであるβ-カテニンの安定化に必要な細胞内タンパク質Dishevelled(Dvl)の動員とリン酸化を引き起こす。Fzdへのリガンド結合によってWnt–β-カテニンシグナル伝達が活性化する仕組みを理解することは、疾患や組織再生に関連してWnt応答を選択的に調節するための、合理的なリガンド設計にきわめて重要である。今回われわれは、リガンド誘導性のFzdクラスター化が、下流のシグナル伝達メディエーターであるDvlの動員およびリン酸化のための開始事象であることを見出した。合成二価抗体と単一分子顕微鏡を用いて、Wntおよび二価Fzd結合抗体は、一価抗体とは異なり、細胞の形質膜でFzdをクラスター化させ、LRP5/6非依存的にDvlを活性化することがわかった。しかし、β-カテニンを介するシグナル伝達には、キナーゼGSK3αまたはGSK3βの阻害とβ-カテニンの安定化を可能にする追加の段階として、LRP5/6の動員が必要であった。この2段階機構は、Fzd活性化をβ-カテニン経路の出力から切り離し、Wntがシグナル伝達の特異性をコードする機構の基礎となると考えられ、選択的Wnt経路調節因子の設計に有用な情報をもたらす可能性がある。

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