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ATPの基礎放出:細胞調節のための自己分泌−傍分泌機構

Basal Release of ATP: An Autocrine-Paracrine Mechanism for Cell Regulation

Reviews

Sci. Signal., 12 January 2010
Vol. 3, Issue 104, p. re1
[DOI: 10.1126/scisignal.3104re1]

Ross Corriden and Paul A. Insel*

Departments of Pharmacology and Medicine, University of California, San Diego, La Jolla, CA 92093, USA.

* Corresponding author. E-mail, pinsel@ucsd.edu

要約:細胞はアデノシン三リン酸(ATP)を放出し、ATPは細胞膜に局在するP2XおよびP2Y受容体を活性 化し、それによって自己分泌または傍分泌の作用様式で細胞機能を調節する。ATP放出とそれに続くP2受容体の活性化は、シグナル伝達経路の活性化の基礎 レベル(「設定値(the set point)」と呼ばれることがある)の確立に役立つ。また、組織血流、イオン輸送、細胞容積の調節、神経シグナル伝達、および宿主−病原体の相互作用な どの多様な応答を調節する。ATPの基礎放出およびATPに対する自己分泌性または傍分泌性の応答は、多機能で進化的に保存されており、細胞、組織、およ び個体の生物学を調整するための経済的な手段を提供する。

R. Corriden, P. A. Insel, Basal Release of ATP: An Autocrine-Paracrine Mechanism for Cell Regulation. Sci. Signal. 3, re1 (2010).

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2010年1月12日号

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