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酢酸は性別、状況、脳領域特異的なエピジェネティックおよび転写リモデリングによって雌マウスの長期記憶を強化する

Acetate enhances long-term memory in female mice by sex-, context-, and brain region–specific epigenetic and transcriptional remodeling

Research Resources

SCIENCE SIGNALING
24 Feb 2026 Vol 19, Issue 926
DOI: 10.1126/scisignal.aec0496

Erica M. Periandri1, Kala M. Dodson1, Francisca N. de Luna Vitorino2, Benjamin A. Garcia2, Karl M. Glastad3, Gabor Egervari1, 2, *

  1. 1 Department of Genetics, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
  2. 2 Department of Biochemistry and Molecular Biophysics, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
  3. 3 Department of Biology, University of Rochester, Rochester, NY 14620, USA.
  4. * Corresponding author. Email: gabor@wustl.edu

Editor's summary

酢酸は細胞エネルギーおよびエピジェネティック制御に不可欠な代謝産物であり、認知機能を支持する可能性がある。Periandriらは、マウスが学習課題を受けているときに酢酸を投与された場合に限り、酢酸が成体雌マウスの長期記憶を改善させることを明らかにした。この効果は、記憶想起テスト後の背側海馬のヒストンのアセチル化と記憶関連遺伝子の発現にみられる雌特異的な変化と相関した。これらの分子作用は学習課題を受けていないときに酢酸を投与されたマウスでは見られなかった。この知見は、酢酸が雌の長期記憶を支えるエピジェネティック変化と転写変化を可能にすることを示している。—Leslie K. Ferrarelli

要約

クロマチンおよび遺伝子発現の代謝制御は、きわめて重要な神経機能に影響を与える主要機構として浮上している。本研究でわれわれは、中間代謝産物である酢酸が雌マウスの長期記憶を促進し、それが背側海馬のエピジェネティックおよび転写リモデリングと関連することを明らかにした。酢酸による記憶増強は、雌の背側海馬におけるヒストン変異体H2A.Zのアセチル化の増加と、学習に関与する遺伝子の発現増加によって駆動された。酢酸が背側海馬のヒストン修飾と遺伝子発現に及ぼす作用は、記憶の固定と想起が行われるきわめて重要な時間枠内には雌雄間で顕著に異なり、学習および想起課題を行わずにホームケージ内で酢酸に曝露させた場合にはこのような作用は再現されなかった。これらの知見は、酢酸への曝露が記憶を増強する仕組みを解明するものである。

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