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生化学的シグナル伝達モデルにおける双安定性

Bistability in Biochemical Signaling Models

Teaching Resources

Sci. Signal., 27 September 2011
Vol. 4, Issue 192, p. tr10
[DOI: 10.1126/scisignal.2001964]

Eric A. Sobie*

Department of Pharmacology and Systems Therapeutics and Systems Biology Center New York, Mount Sinai School of Medicine, New York, NY 10029, USA.

* Corresponding author. E-mail, eric.sobie@mssm.edu

要約:このTeaching Resourceでは、生化学的シグナル伝達ネットワークの双安定性の基礎をなす原理について、文献から例を用いて説明する二部構成の講義のための講義ノート、スライド、学生の課題を提供する。講義では、細胞におけるアナログすなわち段階的な反応と、デジタルの、全か無かの反応とを比較して取り上げ、それぞれの反応を必要とするさまざまなタイプの生物学的過程の例を示す。一般的な一変数系が、安定した定常状態を1つ示すのか、複数示すのかを検討するための方法として、速度‐平衡プロットを紹介する。また、生化学的シグナル伝達ネットワークにおける双安定性の存在を検出するためのより一般的な方法として、分岐図を紹介する。例としては、人工のトグルスイッチ、細菌のlacオペロン、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞と哺乳動物細胞の両方におけるマイトジェン活性化プロテインキナーゼカスケードなどを挙げる。講義の第二部では、双安定性の概念を、動的システム解析によって与えられる数学的ツールに、より密接に結び付ける。講義の第一部で挙げた例を、科学プログラミング言語MATLABを用いて、位相面法と分岐解析によって解析する。これらのプログラムをテンプレートとして用いて、文献に示されたモデルを実行し、このモデルの定常状態の安定性を解析することを学生に課題として課す。

E. A. Sobie, Bistability in Biochemical Signaling Models. Sci. Signal. 4, tr10 (2011).

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