Fluo-4 AMなどの既存カルシウムインジケーターを上回る輝度持つカルシウムインジケーターです。
Fluo-4 AMなどの既存カルシウムインジケーターを上回る輝度持つカルシウムインジケーターです。
Calbryte™ シリーズは、細胞内カルシウムをモニターするために開発された蛍光色素ファミリーで、緑色、赤色、深赤色蛍光を示す3種類を、AMフォーム (生細胞中のアッセイに適した細胞膜透過性タイプ) 、塩フォーム (生細胞や組織へのマイクロインジェクションに適した細胞膜非透過性タイプ) で提供しています。蛍光顕微鏡、蛍光マイクロプレートリーダー、フローサイトメーターで測定が可能です。(フローサイトメトリー用のキットもございます)
Ca2+インジケーター | Excitation (nm) | Emission (nm) | Kd (µM) |
---|---|---|---|
Calbryte™ 520 | 492 | 514 | 1.2 |
Calbryte™ 590 | 580 | 592 | 1.4 |
Calbryte™ 630 | 608 | 624 | 1.2 |
既存のカルシウムインジケーター (Fluo-3 AM、Fluo-4 AM、Rhod-2 AM) と比較して、
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図1. Fluo-4 AM (左) とClbryte™ 520 AM (右) を使ったCHO-K1 細胞の ATP 応答
CHO-K1 細胞を一晩培養し、50,000 細胞/100 µL/ウェルになるよう 96ウェルプレートに播種した。Calbryte™溶液 (プロベネシド入りHHバッファーにCalbryte™ (10 µg/ml) を100 µL添加) もしくは Fluo-4 溶液 (プロベネシド入りHHバッファーに Fluo-4 (10 µ/mL) を100 µL添加) を加え、37℃、45分間インキュベートした。色素溶液を除去した後、200 µL HHバッファー/ウェルで置換し、ATP (50 µL/ウェル) を再終濃度10 µMになるように加えた。その後、蛍光顕微鏡 (Keyence、FITCチャンネル) 下で観察した。
図2. CHO-K1 細胞における内因性 P2Y レセプターのATP応答
CHO-K1 細胞を一晩培養し、40,000細胞/100 µL/ウェルになるよう96ウェルプレートに播種した。Calbryte™溶液 (プロベネシド入りHHバッファーにCalbryte™ (10 µg/mL) を100 µL添加) を加え、37℃、1時間インキュベートした。色素溶液を除去した後、200 µL HHBSを加え、50 µM ATP (50 µL/ウェル) を加えた。その後、蛍光顕微鏡 (Keyence、FITCチャンネル/TRITCチャンネル/Texsas Red® チャンネル) 下で観察した。
図3. Calbryte™ 520 AM vs Fluo4 AM
カルバコールの用量反応を、Calbryte™ 520 AM および Fluo-4 AM を用いて CHO-K1 細胞で測定した。 CHO-K1 細胞を、50,000細胞/100µL/ウェル (96ウェル黒色壁、透明底 Costar プレート) で一晩培養した。HHバッファーに Calbryte™ 520 AM (10 µg/ mL) または HHバッファーに Fluo-4 (10 µg/ mL) を 100 µL添加し、37℃で45分間インキュベートした。色素ロ溶液を除去し、200 µLのHHバッファー/ウェルで置換し、カルバコール (50 µL/ウェル) を FlexStaion 3 で表記濃度になるまで添加した。
1989年にFluo-3が紹介されて以降、シグナル/バックグラウンド比が改善されたFluo-4、Fluo-8、およびCal-250®が開発され、共焦点顕微鏡、フローサイトメトリ、およびハイスループットスクリーニングアプリケーションにおいてCa2+指示薬として広範に使用されてきました。しかし、Fluo-4にはいくつかの深刻な問題があります。例えば、Fluo-4 AMを使用したほとんどの細胞内カルシウムアッセイでFluo-4の細胞外漏出を防ぐためにプロベネシドを添加する必要があります。プロベネシドは様々な細胞への影響をもつことが知られており、プロベネシドを使用してFluo-4 を基盤としたカルシウムアッセイを行うことでアッセイ結果に問題が生ずる可能性があります。 Calbryte™ 520 AMは新規の蛍光かつ細胞透過性カルシウム指示薬で、他のAM色素の細胞導入と同様に、Calbryte™ 520 AMエステルは非蛍光ですが、細胞に入ると細胞内エステラーゼによる加水分解を受けて活性化されます。活性化された指示薬は極性分子となり細胞膜を自由に透過できなくなり、主に細胞内に蓄積されます。Calbryte™ 520は、Ca2+イオンに結合すると非常に高いシグナル/バックグラウンド比をもつ明るい蛍光シグナルを産生します。さらに、Calbryte™ 520は細胞内保持率が著しく改善されています。Fluo-4と同一の励起と発光波長をもつため、Fluo-4アッセイ設定と同じ設定をそのままCalbryte™ 520を利用するカルシウムアッセイに利用できます。Calbryte™ 520は、細胞内カルシウム測定用の次世代型蛍光指示薬で、シグナル/バックグラウンド比と細胞内保持特性が非常に改善されていることから、生細胞内におけるGPCR やカルシウムチャネル標的の評価を始め、そのアゴニストやアンタゴニストのスクリーニングに適しています。
図.4 CHO-K1細胞における内在性P2Y受容体のATP応答
CHO-K1細胞を96穴の黒壁/澄明底コースタープレートの各ウェルに40,000細胞/100 µLずつ播種して一晩培養した。プロベネシドを添加したFluo-4 AM (Cat# 20551) またはCalbryte AM (Cat# 20651) のHHBS溶液を100 µLずつ細胞に添加し、37℃で45分間培養した。色素導入溶液を200 µL HHBSと置換し、50 µLの50 µM ATPを添加した。細胞は蛍光顕微鏡(Keyence)のFITCチャネルを用いてイメージングした。
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
CalbryteTM 520 AM![]() |
ABD | 20650 | 2*50 UG |
¥24,000 |
CalbryteTM 520 AM![]() |
ABD | 20651 | 10*50 UG |
¥72,000 |
CalbryteTM 520 AM![]() |
ABD | 20653 | 1 MG |
¥96,000 |
CalbryteTM 520, potassium salt![]() |
ABD | 20656 | 2*50 UG |
¥48,000 |
CalbryteTM 520, potassium salt![]() |
ABD | 20658 | 10*50 UG |
¥96,000 |
CalbryteTM-520L AM![]() |
ABD | 20640 | 10*50 UG |
販売終了 |
CalbryteTM-520L, potassium salt![]() |
ABD | 20642 | 10*50 UG |
¥72,000 |
CalbryteTM-520XL azide![]() |
ABD | 20643 | 1 MG |
¥120,000 |
CalbryteTM-520XL, potassium salt![]() |
ABD | 20645 | 10*50 UG |
販売終了 |
Calbryte™ 590は、Calcium Orange™ や Rhod-2といったAAT Bioquest社の橙赤蛍光指示薬の性能を高めたものです。この色素の最大励起波長は580 nmであり、555 nmレーザー線で良好に励起します。最大発光波長は592 nmであり、TRITC/Cy3®フィルターセットと互換性があります。Calbryte™ 590は、同様条件下でRhod-2に比べてカルシウムに対しおよそ10倍高感度です。さらに、ミトコンドリアに主に局在するPhod-2と異なりCalbryte™ 590は細胞基質に良好に保持されます。
【Calbryte™ 590 AMの主な特長】
図.5 CHO-K1細胞における内在性P2Y受容体のATP応答
CHO-K細胞を96穴の黒壁/透明底コースタープレートの各ウェルに40,000細胞/100 µLずつ播種して一晩培養した。2 mM プロベネシドとHHBSに溶解したCalbryte™ 590 AM (Cat# 20701) を100 µL細胞に添加し、37℃で1時間培養した。その後、色素導入溶液を200 µL HHBSと置換した。細胞は50 µLの50 µM ATPを添加前後において、蛍光顕微鏡(Keyence)のTRITCチャネルを用いて画像化した。
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
CalbryteTM 590 AM![]() |
ABD | 20700 | 2*50 UG |
¥48,000 |
CalbryteTM 590 AM![]() |
ABD | 20701 | 10*50 UG |
¥96,000 |
CalbryteTM 590 AM![]() |
ABD | 20702 | 1 MG |
¥144,000 |
CalbryteTM 590, potassium salt![]() |
ABD | 20706 | 5*50 UG |
¥72,000 |
Calbryte™ 630は、X-Rhod-1といった赤&深紅蛍光指示薬の性能を高めたものです。この色素は最大励起波長608nmをもち、594nmレーザー線と良好に一列に並びます。この色素の最大八稿波長は624nmであり、一般的なTexas® Redフィルターセットと互換性があります。スペクトルの緑色領域と離れているため、Calbryte™ 630は iFluor™ 488、Alexa Fluor® 488、またはGFPといった緑色蛍光標識とのマルチプレックスに適しています。さらに、Calbryte™ 630は長波長の発光であるため、組織深層部の研究に適しています。これは波長が長い色素ほど数々の細胞層を浸透しやすく、短波長色素では浸透しにくいためです。
【Calbryte™ 630 AMの主な特長】
図.6 CHO-K1細胞における内在性P2Y受容体のATP応答
CHO-K細胞を96穴の黒壁/透明底コースタープレートの各ウェルに40,000細胞/100 µLずつ播種して一晩培養した。細胞に、2 mM プロベネシドとHHBSに溶解したCalbryte™ 630 AM (Cat# 20721)を100 µL添加し、37℃で1時間培養した。その後、色素導入溶液を200 µL HHBSで置換した。細胞に50 µLの50 µM ATPを添加した後、蛍光顕微鏡(Keyence)のTexas Red®チャネルを用いて画像化した。
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
CalbryteTM 630 AM![]() |
ABD | 20720 | 2*50 UG |
¥48,000 |
CalbryteTM 630 AM![]() |
ABD | 20721 | 10*50 UG |
¥96,000 |
CalbryteTM 630 AM![]() |
ABD | 20722 | 1 MG |
¥168,000 |
CalbryteTM 630, potassium salt![]() |
ABD | 20727 | 5*50 UG |
¥72,000 |
「AM」はアセトキシメチル基を表し、AMエステルは主に負に帯電したカルボキシレート化合物の修飾に使用されます。
その性質上、負に帯電した化合物は、細胞内に不浸透性であり、侵襲的なローディング技術を必要とします。
AMエステルを修飾することで、負に帯電したカルボキシル基はマスクされ、疎水性の化合物となります。
結果として、このAM誘導体は細胞透過性となり、生細胞に非侵襲的にロードすることができます。
細胞内に入ると、非特異的な細胞内エステラーゼによってAM基は加水分解され、
(AM基が除去されることで)細胞質内での保持力の高い、蛍光性のカルシウムインジケーターとなります。
AM誘導体の用途としては、細胞増殖、細胞生存率、細胞毒性、細胞内コミュニケーション(カルシウムシグナル伝達など)、酸化活性、細胞内pH、細胞構造の可視化などが挙げられます。加水分解後のAM誘導体は蛍光性であるため、蛍光マイクロプレートリーダー、蛍光顕微鏡またはフローサイトメーターを用いて検出可能です。
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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