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アセチル化、ユビキチン化及びヒストンコードによるエピジェネティックな遺伝におけるDNMT1量の制御
Control of DNMT1 Abundance in Epigenetic Inheritance by Acetylation, Ubiquitylation, and the Histone Code
Sci. Signal., 25 January 2011
Vol. 4, Issue 157, p. pe3
[DOI: 10.1126/scisignal.2001764]
Christian Bronner*
CNRS UMR 7213, Laboratoire de Biophotonique et Pharmacologie, Faculte de Pharmacie, 74 route du Rhin, B.P. 60024, 67401 Illkirch Cedex, France.
* E-mail, christian.bronner@unistra.fr
要約:DNAメチル化パターンの遺伝は、母細胞から娘細胞へのエピジェネティックな細胞記憶伝達に関わる主要な機構である。これは、高分子複合体におけるDNAメチルトランスフェラーゼDNMT1とユビキチンリガーゼUHRF1(ユビキチン様、植物ホメオドメイン及びRINGフィンガー1を含む)の協同作用によって生じる。この複合体メンバーとして、ユビキチン化依存的な過程を介してDNMT1量の厳密な調節を行なうアセチルトランスフェラーゼTip60(Tat相互作用タンパク質)と脱ユビキチン化酵素HAUSP(ヘルペスウイルス関連ユビキチン特異的プロテアーゼ)が新たに同定された。これらの作用因子のすべてがどのようにしてお互いに情報交換し合い、どのようなシグナルがそのような情報交換を連動させるのかを理解することが重要である。DNMT1の場合には、UHRF1とHAUSPの活性のバランスが、ヒストンコード、細胞周期の状態、および局所的なDNAメチル化状態などの局所環境によって影響を受けるのかもしれない。
C. Bronner, Control of DNMT1 Abundance in Epigenetic Inheritance by Acetylation, Ubiquitylation, and the Histone Code. Sci. Signal. 4, pe3 (2011).