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インターロイキン-17による持続的刺激はSCFβ-TrCPを介するAct1の分解を通して細胞を脱感作する

Persistent Stimulation with Interleukin-17 Desensitizes Cells Through SCFβ-TrCP-Mediated Degradation of Act1

Research Article

Sci. Signal., 1 November 2011
Vol. 4, Issue 197, p. ra73
[DOI: 10.1126/scisignal.2001653]

Peiqing Shi1, Shu Zhu1, Yingying Lin1, Yongfeng Liu1, Yan Liu1, Zhijian Chen2, Yufang Shi1, and Youcun Qian1*

1 The Key Laboratory of Stem Cell Biology, Institute of Health Sciences, Shanghai Institutes for Biological Sciences, Chinese Academy of Sciences and Shanghai Jiao Tong University School of Medicine, Shanghai 200025, China.
2 Department of Molecular Biology and Howard Hughes Medical Institute, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: ycqian@sibs.ac.cn

要約:炎症性サイトカインであるインターロイキン-17(IL-17)は病原体に対する免疫応答にとって重要であり、様々な炎症性疾患の病因に寄与する。持続的な炎症を避けるためには、アダプタータンパク質Act1が関与するIL-17受容体(IL-17R)によるシグナル伝達が厳密に制御されなければならない。本稿でわれわれは、IHeLa細胞をL-17で持続的に刺激すると、Act1の分解とIL-17Rシグナル伝達の脱感作が起こることを報告する。IL-17はAct1のLys48結合型ポリユビキチン化と分解を(リン酸化依存的に)促進したが、これは核因子κBα阻害因子(IκBα)のIL-17依存性分解と類似していた。細胞をIL-17で刺激すると、Act1は、βトランスデューシンリピート含有タンパク質(β-TrCP1)またはβ-TrCP2を含むSCF(Skp1-cullin-1-F-box)型E3ユビキチンリガーゼ複合体にリン酸化依存的に動員された。ドミナントネガティブ型β-TrCPの発現、あるいはβ-TrCP1とβ-TrCP2のノックダウンによって、IL-17-誘導性でリン酸化依存的なAct1のユビキチン化と分解が顕著に抑制された。このように、われわれの研究によって、これまでは特徴が不明であったIL-17による持続的刺激で生じる脱感作の機構(SCFβ-TrCPを介したAct1分解)が明らかになった。

P. Shi, S. Zhu, Y. Lin, Y. Liu, Y. Liu, Z. Chen, Y. Shi, Y. Qian, Persistent Stimulation with Interleukin-17 Desensitizes Cells Through SCFβ-TrCP-Mediated Degradation of Act1. Sci. Signal. 4, ra73 (2011).

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