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共通のマイトジェン活性化プロテインキナーゼのドッキング溝に結合する線状モチーフの特異性
Specificity of Linear Motifs That Bind to a Common Mitogen-Activated Protein Kinase Docking Groove
Sci. Signal., 9 October 2012
Vol. 5, Issue 245, p. ra74
[DOI: 10.1126/scisignal.2003004]
Ágnes Garai1*, András Zeke1*, Gerg Gógl1*, Imre T?r1, Ferenc Förds1, Hagen Blankenburg2, Tünde Bárkai1,3, János Varga1, Anita Alexa1, Dorothea Emig2, Mario Albrecht2,4, and Attila Rem?nyi1†
1 Department of Biochemistry, Eötvös Loránd University, Pázmány P?ter sétány 1/C, 1117 Budapest, Hungary.
2 Department of Computational Biology and Applied Algorithmics, Max Planck Institute for Informatics, 66123 Saarbrücken, Germany.
3 Protein Lab, Chemical Research Centre, Hungarian Academy of Sciences, 1025 Budapest, Hungary.
4 Department of Bioinformatics, Institute of Biometrics and Medical Informatics, University Medicine Greifswald, 17475 Greifswald, Germany.
* These authors contributed equally to this work.
† To whom correspondence should be addressed. E-mail: remenyi@elte.hu
要約:マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(Mitogen-activated protein kinase:MAPK)は、結合パートナーにある線状「ドッキング」モチーフと相互作用するドッキング溝を有する。そこでわれわれは、MAPKとドッキングモチーフの結合特異性に関する構造的基盤を明らかにするために、多様なMAPKパートナーに存在する15種のドッキングモチーフが、c-Junアミノ末端キナーゼ1(c-Jun amino-terminal kinase :JNK1)、p38α、および細胞外シグナル制御キナーゼ2(extracellular signal-regulated kinase 2:ERK2)に結合する能力を定量的に解析した。標準的なドッキングモチーフは、JNK1に対してのみ高い特異的結合を媒介していた。また、標準的なMAPK結合ドッキングモチーフのコンセンサス配列とは明らかに異なる配列パターンをもつモチーフのみが、分子形状的には類似するERKとp38αのドッキング溝を識別していた。MAPKとドッキングペプチドから成る4種の複合体(JNK特異的、ERK特異的、ERK選択的、およびp38選択的結合モード)の結晶構造から、ドッキングモチーフ内のコンセンサス配列間に局在している領域は、コンホメーションの多様性を示すことが明らかになった。ドッキングモチーフ内のコンセンサス配列は、MAPKに共通する表面構造に結合するアンカーポイントとして働き、ほとんどが非差別的なドッキングに寄与していたが、アンカーポイント間の介在領域のコンホメーションが、特異性をほぼ決定していた。われわれは、アンカーポイント間に位置する介在領域の長さとアミノ酸組成を合理的に変化させることによって、目的にかなったMAPK結合プロファイルをもつペプチドを設計した。これらの結果から、共通のキナーゼのドッキング溝に結合する短い線状モチーフが多様な相互作用パターンをどれだけ媒介できるか、またシグナル伝達ネットワークにおいて正しいMAPKパートナーの選択にどれだけ寄与できるのかを明らかにするMAPKドッキングの特異性に関する論理的な構造モデルが提示される。
Á. Garai, A. Zeke, G. Gógl, I. T?ro, F. Fördos, H. Blankenburg, T. Bárkai, J. Varga, A. Alexa, D. Emig, M. Albrecht, A. Reményi, Specificity of Linear Motifs That Bind to a Common Mitogen-Activated Protein Kinase Docking Groove. Sci. Signal. 5, ra74 (2012)