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Mn2+、α-シヌクレインおよび神経炎症を関連付ける

Linking Mn2+, α-synuclein, and neuroinflammation

Editor's Choice

Sci. Signal. 12 Mar 2019:
Vol. 12, Issue 572, eaax1045
DOI: 10.1126/scisignal.aax1045

Leslie K. Ferrarelli

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

D. S. Harischandra, D. Rokad, M. L. Neal, S. Ghaisas, S. Manne, S. Sarkar, N. Panicker, G. Zenitsky, H. Jin, M.Lewis, X. Huang, V. Anantharam, A. Kanthasamy, A. G. Kanthasamy, Manganese promotes the aggregation and prion-like cell-to-cell exosomal transmission of α-synuclein. Sci. Signal. 12, eaau4543 (2019). Abstract/FREE Full TextGoogle Scholar

S. Sarkar, D. Rokad, E. Malovic, J. Luo, D. S. Harischandra, H. Jin, V. Anantharam, X. Huang, M. Lewis, A.Kanthasamy, A. G. Kanthasamy, Manganese activates NLRP3 inflammasome signaling and propagates exosomal release of ASC in microglial cells. Sci. Signal. 12, eaat9900 (2019). Abstract/FREE Full TextGoogle Scholar

R. Gordon, E. A. Albornoz, D. C. Christie, M. R. Langley, V. Kumar, S. Mantovani, A. A. B. Robertson, M. S. Butler,D. B. Rowe, L. A. O'Neill, A. G. Kanthasamy, K. Schroder, M. A. Cooper, T. M. Woodruff, Inflammasome inhibition prevents α-synuclein pathology and dopaminergic neurodegeneration in mice. Sci. Transl. Med. 10,eaah4066 (2018). Abstract/FREE Full TextGoogle Scholar

複数の研究から、マンガン曝露とパーキンソン病の分子リンクが解明される。

要約

パーキンソン病(PD)は運動機能および制御が損なわれる神経変性疾患であり、疾患が進行した患者では、認知機能と、より一般的な神経学的機能も損なわれる。マンガン(Mn2+)を含む煙霧に慢性的に曝露されている溶接工では、PDの発生率が特に高い。本誌今週号においてHarischandraらは、Mn2+がどのようにPDの病理に直接寄与するかを特定した。PDの1つの特徴は、ニューロンに有毒なタンパク質であるミスフォールド型のα-シヌクレインの凝集および拡散である。著者らは、溶接工の血清から単離したエキソソームと呼ばれる細胞外小胞が、ミスフォールドしたα-シヌクレインを含んでいることを見出した。細胞培養およびマウスモデルにおいて、マンガンおよび分離したMn2+誘導性エキソソームへの曝露は、ニューロンとミクログリアの間のα-シヌクレインの輸送を促進し、これが炎症と神経細胞死を誘導した。さらに本誌Archivesに掲載された他の研究においてKanthasamy研究所(Sarkarらの論説参照)も、溶接工から採取した血漿エキソソームには、Mn2+に曝露されたミクログリア細胞から放出されるエキソソームにも含まれているインフラマソームの構成要素であるNLRP3およびASCが含まれていることを発見した。著者らはインフラマソームの活性化および放出を、Mn2+誘導性ミトコンドリアストレスと関連付けた。奇妙なことに、Gordonらは(Kanthasamyが共著者である研究において)、線維性のα-シヌクレインがミクログリアからのASC放出を誘導し、これが下流でα-シヌクレインの凝集およびドーパミン作動性ニューロンの細胞死を促進することを明らかにした。これらの研究から、ニューロンとミクログリアの間の細胞間コミュニケーションが関与する連鎖機構を介した、PDに伴うα-シヌクレインおよび神経炎症の両方の伝播に、Mn2+がどのように寄与しているかが解明された。これらの所見は、患者のための新たな治療につながる可能性がある。

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2019年3月12日号

Editor's Choice

Mn2+、α-シヌクレインおよび神経炎症を関連付ける

Research Article

マンガンはα-シヌクレインの凝集とエクソソームを介するプリオン様細胞間伝播を促進する

NPxxYモチーフの変異はα1Bおよびβ2-アドレナリン受容体の薬理学的に異なる立体配座状態を安定化する

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