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マスト細胞はクオラムセンシングに同調する

Mast cells tune in to quorum sensing

Editor's Choice

Sci. Signal. 13 Aug 2019:
Vol. 12, Issue 594, eaaz0499
DOI: 10.1126/scisignal.aaz0499

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

P. Pundir, R. Liu, C. Vasavda, N. Serhan, N. Limjunyawong, R. Yee, Y. Zhan, X. Dong, X. Wu, Y. Zhang, S. H.Snyder, N. Gaudenzio, J. E. Vidal, X. Dong, A connective tissue mast-cell-specific receptor detects bacterial quorum-sensing molecules and mediates antibacterial immunity. Cell Host Microbe 26, 114-122.e8 (2019). Google Scholar

T. Kawakami, K. Kasakura, Mast cell eavesdropping on bacterial communications. Cell Host Microbe 26, 3-5(2019). Google Scholar

病原性促進性の集団的行動を調整するために細菌が使用している分子は、マスト細胞も活性化する。

要約

アレルゲンや、損傷または病原体関連分子パターンなどの刺激により活性化されたとき(Kawakami and Kasakuraの論文も参照)、マスト細胞は脱顆粒し、感染から個体を防御してアレルギー反応を引き起こすヒスタミン、サイトカインおよびプロテアーゼの貯蔵を放出する。Pundirらはマスト細胞が、病原性とバイオフィルムの形成に関与する遺伝子の発現を誘導する分泌因子である細菌のクオラムセンシング分子(QSM)にも反応することを見出した。著者らは細菌由来分子のパネルから、グラム陽性菌由来の複数のカチオン性ペプチドQSMを、マウスマスト細胞受容体であるMAS関連Gタンパク質共役受容体B2(Mrgprb2)およびそのヒトオルソログMRGPRX2の活性化因子として同定した。Mrgprb2およびMRGPRX2は、一次培養マウス腹腔内マスト細胞および培養ヒトLAD2マスト細胞それぞれで、QSMコンピタンス刺激ペプチド1(CSP-1)を産生する肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)を浮遊状態およびバイオフィルム関連性両方で最大限に死滅させるために必要であった。マウスとヒトのマスト細胞はいずれも、CSP-1を産生していない変異型の肺炎球菌を効率的に死滅させることはなかった。In vitroのLAD2細胞およびin vivoの鼻咽頭常在マスト細胞において、MRGPRX2およびMrgprb2は野生型肺炎球菌に対するマスト細胞の反応のために必要であった。野生型の対照マウスと比べ、Mrgprb2を欠損するマウスは、鼻咽頭の肺炎球菌感染、腹腔のEnterococcus faecium感染、および皮膚の化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)感染にかかりやすかった。腹腔および皮膚感染モデルの両方で、感染マウスにCSP-1またはMrgprb2アゴニストの48/80を注射してマスト細胞を刺激することで、細菌数が減少した。Mrgprb2およびMRGPRX2は種々のカチオン性化学物質によっても活性化できることを考えると、このシステムを細菌感染治療に利用できる可能性がある。

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2019年8月13日号

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