• ホーム
  • 新たなつながり:がんにおいてPRMTを標的にする

新たなつながり:がんにおいてPRMTを標的にする

New connections: Targeting PRMTs in cancer

Editor's Choice

Sci. Signal. 27 Aug 2019:
Vol. 12, Issue 596, eaaz1991
DOI: 10.1126/scisignal.aaz1991

Leslie K. Ferrarelli

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

J. Y. Fong, L. Pignata, P.-A. Goy, K. C. Kawabata, S. C.-W. Lee, C. M. Koh, D. Musiani, E. Massignani, A. G. Kotini,A. Penson, C. M. Wun, Y. Shen, M. Schwarz, D. HP. Low, A. Rialdi, M. Ki, H. Wollmann, S. Mzoughi, F. Gay, C.Thompson, T. Hart, O. Barbash, G. M. Luciani, M. M. Szewczyk, B. J. Wouters, R. Delwel, E. P. Papapetrou, D.Barsyte-Lovejoy, C. H. Arrowsmith, M. D. Minden, J. Jin, A. Melnick, T. Bonaldi, O. Abdel-Wahab, E. Guccione,Therapeutic targeting of RNA splicing catalysis through inhibition of protein arginine methylation. Cancer Cell36, 194-209.e9 (2019). Google Scholar

D. Musiani, J. Bok, E. Massignani, L. Wu, T. Tabaglio, M. R. Ippolito, A. Cuomo, U. Ozbek, H. Zorgati, U.Ghoshdastider, R. C. Robinson, E. Guccione, T. Bonaldi, Proteomics profiling of arginine methylation defines PRMT5 substrate specificity. Sci. Signal. 12, eaat8388 (2019). Google Scholar

タンパク質メチルトランスフェラーゼを阻害する薬剤が、RNAスプライシング変異がんに対して有効となる可能性がある。

要約

タンパク質の翻訳後修飾は、それらの安定性、局在化、活性を調節する。おそらく最も広く研究され、理解されている修飾は、リン酸化(および逆の脱リン酸化)である。少なくとも遺伝子発現におけるヒストンでの役割以外にあまり解明されていないのが、タンパク質メチル化である。タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ(PRMT)酵素PRMT5は、標的タンパク質のアルギニン残基をメチル化して、それらの機能を修飾する。PRMT5は様々な細胞過程で機能し、がんに関与している。Science Signaling archivesでは、Musianiらが、新たなプロテオミクス手法を用いて、PRMT5の基質特異性を検討した。この研究では、PRMT5には優先的な標的部位―グリシンに挟まれたアルギニン、すなわち「GRG」配列―があると考えられることが明らかにされ、この酵素のそれまで知られていなかった基質が同定されており、最も多かったのはRNAのプロセシング、代謝、スプライシングを調節するタンパク質であった。現在、同じ著者らの一部が共同研究者を加えて行った研究において、この情報がどのようにがん患者に役立てられるかが示されている。PRMT阻害剤は種々のがんにおいて有効性を示しているが、それらが作用する仕組みと理由や、どの患者で最も大きな効果が得られる可能性があるのかは、必ずしも解明されていなかった。Musianiらの結果に続いて、Fongらは、PRMT5阻害剤とI型PRMT阻害剤の併用により、RNAスプライシング因子変異体を発現する急性骨髄性白血病細胞が選択的に排除され、これらの細胞を移植したマウスにおいて生存が顕著に改善することを見出した。これらのスプライシング変異体は、固形腫瘍を含む他の種類のがんにも認められるが、そのようなRNA結合タンパク質を標的にすることは困難である。上記の結果からは、PRMT阻害剤が、それらを標的にする代替的方法となり、白血病のこのサブセットを超えてより広範囲に効果をもたらす可能性があることが示唆される。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2019年8月27日号

Editor's Choice

新たなつながり:がんにおいてPRMTを標的にする

Research Article

SMAC模倣物はCD4+ TH17細胞分化のNIKに依存した阻害を促進する

アクチビンAの治療的阻害はNK細胞機能と抗腫瘍免疫を改善する

最新のEditor's Choice記事

2019年9月3日号

Gタンパク質活性化を可視化する

2019年8月27日号

新たなつながり:がんにおいてPRMTを標的にする

2019年8月20日号

Parkinがネクロトーシスを防ぐ

2019年8月13日号

マスト細胞はクオラムセンシングに同調する

2019年8月6日号

HER2がSTINGを弱める