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SMAC模倣物はCD4+ TH17細胞分化のNIKに依存した阻害を促進する

SMAC mimetics promote NIK-dependent inhibition of CD4+ TH17 cell differentiation

Research Article

Sci. Signal. 27 Aug 2019:
Vol. 12, Issue 596, eaaw3469
DOI: 10.1126/scisignal.aaw3469

John Rizk1, Joseph Kaplinsky1, Rasmus Agerholm1, Darshana Kadekar1, Fredrik Ivars2, William W. Agace1,2, W. Wei-Lynn Wong3, Matthew J. Szucs4, Samuel A. Myers4, Steven A. Carr4, Ari Waisman5, and Vasileios Bekiaris1,*

1 Department of Health Technology, Technical University of Denmark, Kemitorvet, Building 202, 2800 Kgs Lyngby, Denmark.
2 Department of Experimental Medical Science, Lund University, 22184 Lund, Sweden.
3 Institute of Experimental Immunology, University of Zurich, Winterthurerstrasse 190, Zurich, Switzerland.
4 Broad Institute of MIT and Harvard, Cambridge, MA 02142, USA.
5 Institute for Molecular Medicine, University Medical Center of the Johannes Gutenberg University of Mainz, Obere Zahlbacher Str. 67, Mainz 55131, Germany.

* Corresponding author. Email: vasbek@dtu.dk

要約

SMAC(second mitochondria-derived activator of caspase)の模倣物(SM)は、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)の選択的アンタゴニストであり、非標準NF-κBシグナル伝達を活性化させ、腫瘍細胞死を促進する。われわれは遺伝子発現解析によって、17型ヘルパーT(TH17)細胞の分化中にCD4+ T細胞をSMで処理すると、拮抗する2つの転写因子モジュール間のバランスが崩れることを明らかにした。さらにプロテオミクス解析では、SMが細胞周期、ミトコンドリア活性、標準NF-κBシグナル伝達と非標準NF-κBシグナル伝達とのバランスに関連するタンパク質の存在量を変化させることが明らかになった。SMはインターロイキン17(IL-17)の産生を阻害し、TH17細胞誘導性炎症を寛解させる一方で、IL-22分泌を促進した。機構的には、NF-κB誘導キナーゼ(NIK)と転写因子RelBおよびp52がSMを介して活性化し、Il17aの発現とIL-17Aタンパク質産生だけでなく、他の多くの免疫遺伝子の発現も直接的に抑制した。IL-22産生の誘導は、NIKに依存したcMAFタンパク質量の減少、アリール炭化水素受容体の活性増大と関連した。最後に、SMはIL-9とIL-13の産生も促進し、競合条件下ではナイーブCD4+ T細胞からTH17細胞への分化よりもTH2細胞への分化を支持した。これらの結果は、SMがTH17細胞の遺伝子発現プロファイルとタンパク質プロファイルを方向づけ、TH17細胞誘導性自己免疫を抑制することを示している。

Citation: J. Rizk, J. Kaplinsky, R. Agerholm, D. Kadekar, F. Ivars, W. W. Agace, W. W.-L. Wong, M. J. Szucs, S. A. Myers, S. A. Carr, A. Waisman, V. Bekiaris, SMAC mimetics promote NIK-dependent inhibition of CD4+ TH17 cell differentiation. Sci. Signal. 12, eaaw3469 (2019).

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