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ROSで眠れない
Sleepless with ROS
Sci. Signal. 23 Jun 2020:
Vol. 13, Issue 637, eabd4212
DOI: 10.1126/scisignal.abd4214
Wei Wong
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA
A. Vaccaro, Y. Kaplan Dor, K. Nambara, E. A. Pollina, C. Lin, M. E. Greenberg, D. Rogulja, Sleep loss can cause death through accumulation of reactive oxygen species in the gut. Cell 181, 1307-1328.e15 (2020).
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睡眠遮断は、腸内のROS蓄積と酸化ストレス増大を引き起こすことから、死をもたらす可能性がある。
要約
睡眠遮断は最終的に死を招く。その理由を調べるために、Vaccaroらは、ショウジョウバエ(Drosophila)において、睡眠を抑制するニューロンの熱生産性活性化によって、連続的な睡眠遮断を確実に行う方法を開発した。この方法によって、通常は睡眠遮断後に発生する睡眠欲または反跳睡眠の代償性の増加が妨げられた。睡眠を遮断したハエでは、腸内の活性酸素種(ROS)濃度の上昇が認められ、この結果は、機械的振動または睡眠を促進するタンパク質に対するRNA干渉などの、睡眠遮断のその他の方法によって確認された。睡眠遮断ショウジョウバエの腸と睡眠遮断マウスの腸には、DNA損傷、ストレス顆粒形成、細胞死などの、酸化ストレスの徴候が認められた。腸内のROSを中和する栄養補助食品によって、または、抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ1または2(SOD1またはSOD2)あるいはカタラーゼの腸細胞特異的発現によって、睡眠遮断ショウジョウバエの生存期間が延長した。したがって、腸内のROS蓄積による酸化ストレスの発生が、睡眠遮断が致命的となる理由であると考えられる。