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エンドソームへのPI3Kシグナル伝達をマッピングする

MAPping PI3K signaling to endosomes

Editor's Choice

Sci. Signal. 17 Nov 2020:
Vol. 13, Issue 658, eabf7090
DOI: 10.1126/scisignal.abf7090

John F. Foley

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: jfoley@aaas.org

N. Thapa, M. Chen, H. T. Horn, S. Choi, T. Wen, R. A. Anderson, Phosphatidylinositol 3-kinase signalling is spatially organized at endosomal compartments by microtubule-associated protein 4. Nat. Cell Biol. 22,1357-1370 (2020). Google Scholar

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33139939/ [PubMed]

A. G. Batrouni, J. M. Baskin, A MAP for PI3K activation on endosomes. Nat. Cell Biol. 22, 1292-1294 (2020). Google Scholar

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33139938/ [PubMed]

微小管結合タンパク質MAP4は、PI3Kαを細胞膜からエンドソームに動員し、Aktシグナル伝達を活性化する。

要約

上皮成長因子受容体(EGFR)などの細胞表面受容体チロシンキナーゼが刺激を受けると、IA型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)が活性化受容体に動員され、膜リン脂質PIP2をPIP3に変換する。続いてキナーゼAktが細胞膜に動員され、そこで活性化される。PI3K-Aktシグナル伝達は細胞増殖にきわめて重要であり、この経路の過剰活性化は多くのがんに関連する。Thapaらは、蛍光顕微鏡観察、ウエスタンブロット解析、タンパク質間相互作用実験により、PI3Kαを介するPIP3生成とAkt活性化の代替的な機構を示している。EGF刺激細胞株において、PIP3と活性化Aktは細胞内膜に集積し、PI3Kαは微小管に沿ってエンドソーム小胞に動員された。質量分析により、微小管結合タンパク質MAP4が、PI3Kα結合パートナーとして明らかになった。この相互作用は、MAP4の微小管結合ドメイン(MTBD)と、PI3Kαのp110α触媒サブユニットのC2ドメインとの間で起こっていた。MAP4の欠損により、PI3Kαと刺激を受けたEGFRとの相互作用が妨害されたが、EGFR活性化には影響がなく、PI3Kαの微小管への局在化が阻害された。MAP4のノックダウンによって、EGF刺激によるエンドソーム膜へのPIP3集積も阻害された。さらに、MAP4の欠損によって、エンドソーム膜でのAkt活性化が障害され、これは野生型MAP4の異所性発現によりレスキューされたが、MTBDを欠損した変異MAP4ではレスキューされなかった。BatrouniとBaskinの解説記事で論じられているように、エンドソームにおけるPIP2の供給源を検討するさらなる研究が必要である。しかし、これらの結果から、MAP4は、がんにおけるPI3Kα-Aktシグナル伝達経路を阻害するための治療標的候補となることが示唆される。

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