次世代のために運動する

Exercising for future generations

Editor's Choice

Science Signaling 27 Apr 2021:
Vol. 14, Issue 680, eabj1456
DOI: 10.1126/scisignal.abj1456

Wei Wong

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: wwong@aaas.org

J. Kusuyama, A. B. Alves-Wagner, R. H. Conlin, N. S. Makarewicz, B. G. Albertson, N. B. Prince, S. Kobayashi, C. Kozuka, M. Møller, M. Bjerre, J. Fuglsang, E. Miele, R. J. W. Middelbeek, Y. Xiudong, Y. Xia, L. Garneau, J. Bhattacharjee, C. Aguer, M. E. Patti, M. F. Hirshman, N. Jessen, T. Hatta, P. G. Ovesen, K. B. Adamo, E. Nozik-Grayck, L. J. Goodyear, Placental superoxide dismutase 3 mediates benefits of maternal exercise on offspring health. Cell Metab. S1550-4131(21)00111-X (2021).
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胎盤から胎児への経路が、母親の運動による子の代謝的健康への恩恵を伝達する。

要約

母親の肥満は次世代の肥満の危険因子である。逆に、母親の運動は、肝臓の遺伝子発現に影響を及ぼすことによって、子の健康状態を改善する。Kusuyamaらは、母親の運動による子の代謝的健康状態への有益な効果を仲介する、胎盤から胎児への肝臓シグナル伝達経路を明らかにした。妊娠中の母マウスの自発的な運動によって、胎児における肝臓のグルコースおよび脂肪酸代謝遺伝子発現が増加した。この効果は、ビタミンD受容体誘導性の胎盤のSod3発現によって仲介された。循環SOD3は、胎児肝臓のキナーゼAMPKを活性化することによって、DNA脱メチル化酵素Tet1およびTet2をコードする遺伝子の発現を増加させ、Tet活性を刺激するα-ケトグルタル酸の生合成に関与する酵素の発現増加によりα-ケトグルタル酸の産生を増加させ、肝臓の代謝遺伝子の脱メチル化を引き起こした。ほとんど体を動かさない雌親の胚に由来する肝芽細胞にSOD3を投与すると、雌親に高脂肪食を与えることによって引き起こされる、代謝遺伝子発現の抑制が減弱した。母親の運動による、胎児のグルコース代謝遺伝子発現または子のグルコース代謝への有益な効果は、SOD3の胎盤特異的欠損または薬理学的阻害によって消失し、ビタミンD補充によって増強された。この経路の同定によって、母親から子への代謝疾患の伝達を制限する治療的介入が可能になると考えられる。

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2021年4月27日号

Editor's Choice

次世代のために運動する

Research Article

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