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アレスチンへの持続的バイアス

Permanently biased toward arrestins

Editor's Choice

SCIENCE SIGNALING
12 Oct 2021 Vol 14, Issue 704
DOI: 10.1126/scisignal.abm7320

JOHN F. FOLEY

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: jfoley@aaas.org

S. Pandey, P. Kumari, M. Baidya, R. Kise, Y. Cao, H. Dwivedi-Agnihotri, R. Banerjee, X. X. Li, C. S. Cui, J. D. Lee, K. Kawakami, J. Maharana, A. Ranjan, M. Chaturvedi, G. D. Jhingan, S. A. Laporte, T. M. Woodruff, A. Inoue, A. K. Shukla, Intrinsic bias at non-canonical, β-arrestin-coupled seven transmembrane receptors. Mol. Cell S1097-2765(21)00741-3 (2021).
PUBMED  GOOGLE SCHOLAR

7回膜貫通型受容体D6RおよびC5aR2は、βアレスチンに偏重した受容体のうってつけの例である。

要約

Gタンパク質共役受容体(GPCR)[7回膜貫通型受容体(7TMR)としても知られる]は、通常、アゴニストとの結合時に2つの異なるシグナル伝達経路を刺激する。1つ目は、GPCRとヘテロ三量体Gタンパク質との間の相互作用に依存する。2つ目は、GRKとして知られるキナーゼによってGPCRがリン酸化されたあとに発生するもので、βアレスチンの動員と受容体の内部移行に依存する。この2つの経路のいずれか一方を特異的に活性化するように設計されたGPCRリガンドは、バイアスアゴニストとして知られ、治療に応用されている。Pandeyらは、2つの非標準的な7TMRと、それぞれと対をなすGPCR、すなわち、リガンドCCL7を共有するデコイD6受容体(D6R)とGPCR CCR2、リガンドC5aを共有するGPCR C5aR1と補体C5a受容体サブタイプ2(C5aR2)の特徴を明らかにした。蛍光ベースのGタンパク質解離アッセイでは、対をなすGPCRとは異なり、D6RとC5aR2はいずれも、Gタンパク質と機能的共役を示さなかった。ところが、免疫沈降法および顕微鏡アッセイでは、D6RもC5aR2もβアレスチンを動員してエンドサイトーシスを起こすことが示された。C5aR2へのβアレスチン動員にはGRK5およびGRK6が必要であったが、GRKをノックダウンしてもD6Rへのβアレスチン動員には明らかな影響は認められなかった。センサーを用いた研究では、D6RおよびC5aR2に動員されたβアレスチンの立体構造は、それぞれと対をなすGPCRに動員されたβアレスチンの立体構造とは異なることが示された。また、D6RおよびC5aR2は、βアレスチンシグナル伝達のリードアウトとなるERK1/2の活性化を刺激する能力も異なっていた。最後に著者らは、D6RおよびC5aR2の下流のシグナル伝達ネットワークの特徴を明らかにするために、リン酸化抗体アレイと質量分析法を用いた。すると、さまざまな細胞状態において、各受容体に特異的な経路が示唆された。まとめると、これらのデータは、D6RおよびC5aR2が、Gタンパク質との共役については検出限界以下であり、かつ、それぞれに対をなすGPCRと共通のアゴニストに応答して別個のβアレスチン立体構造を誘導する能力をもつ、「アレスチン共役」7TMRであることを示している。

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