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腸の健康に役立つレチノイン酸

Retinoic acid for gut health

Editor's Choice

SCIENCE SIGNALING
11 Jan 2022 Vol 15, Issue 716
DOI: 10.1126/scisignal.abo0016

ANNALISA M. VANHOOK

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: avanhook@aaas.org

V. Woo, E. M. Eshleman, S. Hashimoto-Hill, J. Whitt, S.-E. Wu, L. Engleman, T. Rice, R. Karns, J. E. Qualls, D. B. Haslam, B. A. Vallance, T. Alenghat, Commensal segmented filamentous bacteria-derived retinoic acid primes host defense to intestinal infection. Cell Host Microbe 29, 1744-1756.e5 (2021).
CROSSREF  PUBMED  GOOGLE SCHOLAR

J. Yadav, N. Nathan, D. J. Philpott, Gut symbionts dial up RA to prime host defense. Cell Host Microbe 29, 1727-1729 (2021).
CROSSREF  PUBMED  GOOGLE SCHOLAR

共生生物由来のレチノイン酸は、腸上皮細胞の自然免疫防御を刺激することによってマウスを感染から保護する。

要約

病原体耐性を促進する腸内共生生物のなかでもセグメント細菌(SFB)は、腸上皮に直接付着することから、宿主と密接に相互作用するにはまたとない状況にあるといえる(Yadavらのコメンタリー参照)。SFBは、マウスにおいて、TH17細胞に媒介される免疫を刺激することによってシトロバクター・ローデンチウム(Citrobacter rodentium)感染を抑制する。Wooらは、TH17細胞が枯渇している場合やTH17細胞の活性化が阻害されている場合でも、SFBが存在すればC. rodentium感染が抑制されることを見出した。無菌マウス由来の腸上皮細胞(IEC)と比べて、SFB定着マウス由来のIECでは、レチノイン酸(RA)応答エレメントを含む座位において活性型エンハンサーと転写プライミングに関連するエピジェネティック修飾が蓄積していた。プライミングされる座位の1つであるNos2は、殺菌剤となる一酸化炭素(NO)を合成する酵素をコードしている。SFBの定着またはRAによる処置によって、IECでのNos2発現と腸内NOの蓄積が誘導された。無菌マウスはRAによってC. rodentium感染から保護されたが、Nos2欠損マウスとドミナントネガティブ型RA受容体発現マウスは保護されなかった。SFB定着マウスでは、無菌マウスより大量のRAが観察されたが、このRA量は、宿主によるRA産生ではなく細菌による食物由来ビタミンAからRAへの変換に依存していた。ビタミンAからRAへの変換を触媒する酵素を産生する他の共生細菌も、腸内でRAを生成してマウスをC. rodentium感染から保護した。腸内共生生物が抗菌自然防御を刺激するRAを産生していると実証されたことは、レチノールや他の形態のビタミンAが腸管感染から保護するためのプレバイオティクスとして機能する可能性があることを示唆している。

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