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カスパーゼが標的を発見する

A caspase finds a target

Editor's Choice

SCIENCE SIGNALING
12 Dec 2023 Vol 16, Issue 815
[DOI: 10.1126/scisignal.adn3720]

Amy E. Baek

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: abaek@aaas.org

X. Shi, Q. Sun, Y. Hou, H. Zeng, Y. Cao, M. Dong, J. Ding, F. Shao, Recognition and maturation of IL-18 by caspase-4 noncanonical inflammasome. Nature 10.1038/s41586-023-06742-w, (2023).

非標準カスパーゼであるカスパーゼ4はLPSに応答してIL-18のプロ体をプロセシングする。

インフラマソームは、病原体由来の刺激に応答してカスパーゼを活性化させ、ガスダーミンD(GSDMD)の切断とその後のピロトーシスおよび細胞内病原体のクリアランス(排除)を引き起こす。標準的なカスパーゼ1を活性化させるインフラマソームにはたいてい、炎症性サイトカインであるインターロイキン1β(IL-1β)の産生が関連するが、同時に、プロIL-18のプロセシングもしうる。Shiらは、細胞内リポ多糖(LPS)によって活性化される非標準カスパーゼであるカスパーゼ4、5、11のサイトカイン標的を調べた。ヒトがん細胞株のインフラマソーム構成要素のスクリーニングでは、IL-18の発現はカスパーゼ4およびGSDMDの発現と相関したが、カスパーゼ1の発現とは相関しなかった。カスパーゼ4を欠損したHeLa細胞では、IL-18のプロセシングと分泌が欠損したが、これらは酵素活性のあるカスパーゼ4の発現によって回復した。in vitroでは、LPSがカスパーゼ4の活性化ドメインに結合し、プロIL-18のプロセシングに必要な活性型プロテアーゼを生じた。カスパーゼ1および5は、カスパーゼ4がプロIL-18と結合するときに重要となる保存された残基を共有していることから、同様にプロIL-18をプロセシングできた。しかし、カスパーゼ11は他のカスパーゼと比べて構造的に異なることから、プロIL-18との立体的な衝突をもたらし、結果的にプロIL-18のプロセシングはできなかった。このような立体的阻害を除去したカスパーゼ11の変異体は、プロIL-18をプロセシングする能力を獲得した。これらの知見は、カスパーゼ4および5の直接的なサイトカイン標的を同定するものであり、IL-18の機能についてさらなる洞察を与えている。

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2023年12月12日号

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