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組合せナノ治療:がん細胞の配線を替えてから殺傷する

Combinatorial Nanotherapeutics: Rewiring, Then Killing, Cancer Cells

Perspectives

Sci. Signal., 13 May 2014
Vol. 7, Issue 325, p. pe13
[DOI: 10.1126/scisignal.2005386]

Ronnie H. Fang and Liangfang Zhang*

Department of NanoEngineering and Moores Cancer Center, University of California, San Diego, La Jolla, CA 92093, USA.

* Corresponding author. E-mail: zhang@ucsd.edu

要約

腫瘍は本質的に回復力をもち、がん治療に対して抵抗性を発現する場合が多く、患者の転帰を不良にする。高度な分析手段や計算手段が利用可能な現在では、分子標的薬ががん細胞の生化学的ネットワークに影響を及ぼす仕組みについて、多くのことが明らかにされており、抵抗性をさらにうまく阻止するような治療計画を、方向性をもって設計することが可能になっている。今週号のScience Signalingでは、Mortonらが、2つの薬剤を連続的にデリバリーする能力をもつナノ粒子系を示している。第1の薬剤が発がん経路を阻害し、DNA損傷誘導性アポトーシスに対する細胞の感受性を高める。第2の薬剤は遺伝毒性薬剤であり、がん細胞のこの脆弱な状態を利用して、高い効率でそれらの細胞を殺傷する。

R. H. Fang, L. Zhang, Combinatorial Nanotherapeutics: Rewiring, Then Killing, Cancer Cells. Sci. Signal. 7, pe13 (2014).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

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2014年5月13日号

Editor's Choice

代謝
肥満外科手術成功のシグナル

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シグナル伝達経路の動的再配線によって腫瘍の死滅を促進させるためのナノ粒子に基づく多剤併用化学療法デリバリーシステム

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Research Resources

電離放射線に対する細胞応答におけるトランスクリプトーム、シストローム、およびエピゲノムの並列プロファイリング

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