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グルココルチコイド受容体のDNA結合デコイはGasである

Glucocorticoid Receptor DNA Binding Decoy Is a Gas

Perspectives

Sci. Signal., 9 February 2010
Vol. 3, Issue 108, p. pe5
[DOI: 10.1126/scisignal.3108pe5]

Michael J. Garabedian1,3* and Susan K. Logan2,3

1 Department of Microbiology, NYU School of Medicine, 550 First Avenue, New York, NY 10016, USA.
2 Department of Pharmacology, NYU School of Medicine, 550 First Avenue, New York, NY 10016, USA.
3 Department of Urology, NYU School of Medicine, 550 First Avenue, New York, NY 10016, USA.

* Corresponding author. E-mail, michael.garabedian@nyumc.org

要約:グルココルチコイド受容体(GR)は規範となるDNA結合転写因子であり、20年以上前に「応答配列」と 呼ばれる遺伝子のエンハンサー領域への結合が確認された最初のタンパク質の1つとして報告された。その後、膨大な量の研究によって、GRの転写調節はその 活動のほぼすべてのステップ、すなわちリガンド結合、核移行、転写補助因子の結合、DNA結合のステップで制御されることが明らかになってきた。GR調節 の主要な様式が判明したと思われた矢先に、新たな研究によって、細胞増殖停止の条件下でGRの転写活性が制御されるさらに別の機構が明らかになっている。 この場合に、GRの活性は、growth arrest-specific transcript 5遺伝子由来の低分子非コード RNA(ncRNA)によって抑制される。このncRNAは、折り畳まれて可溶性のグルココルチコイド応答配列様の配列になり、GRのDNA結合のデコイ として機能する。このような核酸分子の模倣による予想外の調節機構は、おそらくGRに限られたものではなく、転写因子のDNA結合を調節する他の ncRNAを探そうという関心に火をつけるであろう。

M. J. Garabedian, S. K. Logan, Glucocorticoid Receptor DNA Binding Decoy Is a Gas. Sci. Signal. 3, pe5 (2010).

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