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SUMO化はIGF-1受容体の核移行とシグナル伝達を媒介する

SUMOylation Mediates the Nuclear Translocation and Signaling of the IGF-1 Receptor

Research Article

Sci. Signal., 9 February 2010
Vol. 3, Issue 108, p. ra10
[DOI: 10.1126/scisignal.2000628]

Bita Sehat1, Ali Tofigh2*, Yingbo Lin1*, Eric Trocme1, Ulrika Liljedahl3, Jens Lagergren2, and Olle Larsson1†

1 Department of Oncology and Pathology, Karolinska Institutet, Cancer Center Karolinska, R8:04, Karolinska University Hospital, SE-171 76 Stockholm, Sweden.
2 KTH Royal Institute of Technology, Computational Biology, Stockholm Bioinformatics Centre, SE-100 44 Stockholm, Sweden.
3 Department of Medical Sciences, Uppsala University, SE-751 85 Uppsala, Sweden.

* These authors contributed equally to this work.

To whom correspondence should be addressed. E-mail: Olle.Larsson@ki.se

要約:インスリン様増殖因子1受容体(IGF-1R)は、発生生物学およびがん生物学において、きわめて重要な 役割を果たす。IGF-1Rの生物学的作用の大部分はそのチロシンキナーゼ活性に起因し、このキナーゼ活性はホスファチジルイノシトール3-キナーゼおよ びマイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路を介するシグナル伝達を伝播する。今回われわれは、IGF-1が低分子ユビキチン様修飾因子-1(SUMO- 1)によるIGF-1Rの修飾および核への移行を促進することを報告する。核のIGF-1Rは、エンハンサー様配列に会合し、レポーターアッセイにおいて 転写を亢進した。IGF-1RのSUMO化部位は、受容体bサブユニット内の進化的に保存された3つのリジン残基(Lys1025、Lys1100、およ びLys1120)と同定された。これらのSUMO-1部位の変異は、IGF-1Rの核移行および転写活性化能を消失させたが、キナーゼ依存性シグナル伝 達は変化させなかった。このように、われわれは、遺伝子調節に関与している可能性がある、SUMO化を介するIGF-1Rシグナル伝達機構を実証した。

B. Sehat, A. Tofigh, Y. Lin, E. Trocme, U. Liljedahl, J. Lagergren, O. Larsson, SUMOylation Mediates the Nuclear Translocation and Signaling of the IGF-1 Receptor. Sci. Signal. 3, ra10 (2010).

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