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パーキンソン病のトロイの木馬

A Trojan Horse for Parkinson’s Disease

Perspectives

Sci. Signal., 6 April 2010
Vol. 3, Issue 116, p. pe13
[DOI: 10.1126/scisignal.3116pe13]

Yi Hu* and Youren Tong

Center for Neurologic Diseases, Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School, 65 Landsdowne Street, Cambridge, MA 02139, USA.

* Corresponding author. E-mail: yi_hu@hms.harvard.edu

要約:遅発性のパーキンソン病(PD)では、ロイシンリッチリピート配列キナーゼ―2(LRRK2)の病原性突 然変異が一般的な遺伝的原因である。初期の研究からは、LRRK2の内因性キナーゼ活性が、LRRK2媒介性のPDの発症と関連することが示唆されてい た。しかし、LRRK2キナーゼ活性は神経の生存にとっては重要ではなく、神経毒性に対する防御活性にも必要でない場合がある。したがって、LRRK2の 内因性キナーゼ活性はパーキンソン病に対するいわばトロイの木馬である可能性があり、このキナーゼ活性を抑制することが治療上有用になるかもしれない。

Y. Hu, Y. Tong, A Trojan Horse for Parkinson's Disease. Sci. Signal. 3, pe13 (2010).

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