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Gタンパク質共役受容体シグナル伝達の調節:メラノコルチン2受容体付属タンパク質2の特異的ドミナントネガティブ効果

Regulation of G Protein-Coupled Receptor Signaling: Specific Dominant-Negative Effects of Melanocortin 2 Receptor Accessory Protein 2

Research Article

Sci. Signal., 6 April 2010
Vol. 3, Issue 116, p. ra28
[DOI: 10.1126/scisignal.2000593]

Julien A. Sebag and Patricia M. Hinkle*

Department of Pharmacology and Physiology, University of Rochester Medical Center, Rochester, NY 14642, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: Patricia_Hinkle@urmc.rochester.edu

要約最大の膜タンパク質ファミリーを構成するヘテロ三量体グアニンヌクレ オチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体(GPCR)は、多様な生理学的刺激に対する応答を媒介する。メラノコルチン2受容体(MC2R)が細胞 膜上に存在するためには、相同的な付属タンパク質であるMC2R付属タンパク質(MRAP)またはMRAP2のどちらかの存在が必要である。本研究では、 MC2Rシグナル伝達の活性化にはMRAPが必須であるのに対して、MRAP2はMRAPと競合的にMC2Rに結合し、MC2Rの内因性アゴニストである 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)のアデノシン3',5'-一リン酸(cAMP)産生刺激効力を低下させる内因性阻害因子であることを明らかにした。 ACTHはMRAP存在下ではMC2Rとの高い結合親和性を示したが、MRAP2存在下では示さなかった。MRAPおよびMRAP2はNDP-αメラニン 細胞刺激ホルモンとMC4Rの結合またはそのcAMP反応刺激にはほとんど影響を及ぼさないことから、これらのタンパク質のリガンド結合親和性に対する影 響能はMC2R特異的であった。これらの結果から、促進性付属タンパク質と抑制性付属タンパク質の均衡がGPCRの天然アゴニストに対する感受性を制御し ていると考えられる。

J. A. Sebag, P. M. Hinkle, Regulation of G Protein-Coupled Receptor Signaling: Specific Dominant-Negative Effects of Melanocortin 2 Receptor Accessory Protein 2. Sci. Signal. 3, ra28 (2010).

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2010年4月6日号

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