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アンモニア:オートファジーを誘発する増殖細胞によって放出される拡散性因子

Ammonia: A Diffusible Factor Released by Proliferating Cells That Induces Autophagy

Perspectives

Sci. Signal., 1 June 2010
Vol. 3, Issue 124, p. pe19
[DOI: 10.1126/scisignal.3124pe19]

Guillermo Marino and Guido Kroemer*

INSERM, U848, F-94805 Villejuif, France; Institut Gustave Roussy, F-94805 Villejuif, France; and Universite Paris Sud-XI, F-94805 Villejuif, France.

* Corresponding author. E-mail: kroemer@orange.fr

要約:オートファジーの際には、細胞質の一部がオートファゴソーム内に隔離され、リソゾームの加水分解酵素に よって消化される。哺乳類組織では、栄養枯渇を介して、協調的に大規模なオートファジーが誘発されるので、オートファジーを促進する可溶性代謝物の探索が 行われてきた。グルタミン分解の副産物として生じるアンモニアは、オートファジーを促進する拡散性因子であることが確認されている。興味深いことに、がん 細胞はグルタミン分解率を高め、がんの間質液中には正常な生理的濃度を超えるアンモニアが含まれる。このことは、腫瘍細胞が微環境を調節する未知の経路の 存在を示唆する。

G. Marino, G. Kroemer, Ammonia: A Diffusible Factor Released by Proliferating Cells That Induces Autophagy. Sci. Signal. 3, pe19 (2010).

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