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アルギニン:自然免疫応答の統制者と司令官を兼ねる

Arginine: Master and Commander in Innate Immune Responses

Perspectives

Sci. Signal., 17 August 2010
Vol. 3, Issue 135, p. pe27
[DOI: 10.1126/scisignal.3135pe27]

Sidney M. Morris Jr.*

Department of Microbiology and Molecular Genetics and Department of Immunology, University of Pittsburgh, Pittsburgh, PA 15219, USA.

* Corresponding author. E-mail, smorris@pitt.edu

 

要約:Toll様受容体(TLR)シグナル伝達経路を介するマクロファージの活性化は感染に対する自然免疫応答 の主要な要素である。活性化マクロファージにおける誘導型NO合成酵素(iNOS)によるアルギニンからの一酸化窒素(NO)の産生は、多くの病原体に対 する宿主防衛に必須であるので、アルギニンの利用性は感染抵抗性の重要な決定因子である。したがって、アルギニン分解酵素アルギナーゼの誘導はいくつかの 病原体によって免疫回避手段として利用される。このような機構の詳細は、マイコバクテリアがTLR経路の成分を利用して、マクロファージが産生するサイト カインが関与する自己分泌-傍分泌機構を介してマクロファージ内にアルギナーゼのI型アイソフォームを誘導することを示した研究によって明らかにされてい る。また、別の研究によって、基質制限によってNO合成酵素を抑制するのに加えて、単に栄養枯渇によるアルギニン利用性を低下させることが、TLR4下流 の特異的マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路を障害して、自然免疫応答を鈍らせることができることが示されている。これらの知見は、酵 素基質として、および免疫細胞のシグナル伝達経路における調節分子としてのアルギニンの役割がますます複雑であることを示している。

S. M. Morris, Jr., Arginine: Master and Commander in Innate Immune Responses. Sci. Signal. 3, pe27 (2010).

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