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サイクリックdi-GMPは細菌のRNAワールドにまで手を伸ばす

Cyclic-di-GMP Reaches Out into the Bacterial RNA World

Perspectives

Sci. Signal., 23 November 2010
Vol. 3, Issue 149, p. pe44
[DOI: 10.1126/scisignal.3149pe44]

Regine Hengge*

Institut fur Biologie, Mikrobiologie, Freie Universitat Berlin, Konigin-Luise-Str. 12-16, 14195 Berlin, Germany.

* E-mail, rhenggea@zedat.fu-berlin.de

要約:細菌に偏在するシグナル伝達分子であるbis-(3'-5')-サイクリックグアノシン一リン酸(c- di-GMP)は、セカンドメッセンジャーによるシグナル伝達を分子微生物学者の議題上に呼び戻した。これは、c-di-GMPがバイオフィルム形成の促 進において果たす一般的な役割のためだけでなく、c-di-GMPが結合するエフェクター分子や影響を受ける標的過程の多様性が増えているためでもある。 このようなエフェクターには、複雑な細胞装置と直接相互作用する多様な転写因子やタンパク質、さらに転写の伸長や翻訳を調節するリボスイッチとして働く RNA分子も含まれる。c-di-GMPの作用におけるこのような柔軟性によって、c-di-GMPは細菌細胞の多様な分子過程を制御することができる。 新たな証拠が得られてこの範囲がさらに拡大され、c-di-GMPリボスイッチが、そのキャリアである病原性細菌Clostridium difficileにより「順応された」自己スプライシングイントロンと結合し、下流遺伝子の発現調節に働くことが明らかとなった。

R. Hengge, Cyclic-di-GMP Reaches Out into the Bacterial RNA World. Sci. Signal. 3, pe44 (2010).

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