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HLAクラスI分子がインテグリンβ4と組んで内皮細胞の増殖と移動を刺激する

HLA Class I Molecules Partner with Integrin β4 to Stimulate Endothelial Cell Proliferation and Migration

Research Article

Sci. Signal., 23 November 2010
Vol. 3, Issue 149, p. ra85
[DOI: 10.1126/scisignal.2001158]

Xiaohai Zhang1, Enrique Rozengurt2, and Elaine F. Reed1*

1 Immunogenetics Center, Department of Pathology and Laboratory Medicine, David Geffen School of Medicine, University of California, Los Angeles, CA 90095, USA.
2 Division of Digestive Diseases, Department of Medicine, Center for Ulcer Research and Education, Digestive Diseases Research Center, David Geffen School of Medicine and Molecular Biology Institute, University of California, Los Angeles, CA 90095, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: ereed@mednet.ucla.edu

要約:移植患者のうち、ドナーのヒト白血球抗原(HLA)に対する抗体を産生する患者は、抗 体媒介性拒絶反応と移植脈管障害(虚血傷害や臓器機能の増悪をもたらす進行性の血管閉塞疾患)のリスクがより高い。HLAクラスI(HLA-I)分子に対 する抗体は、内皮細胞の活性化と増殖を誘発するシグナルを引き起こすことによって移植脈管障害に寄与すると考えられている。本稿でわれわれは、HLA-I 特異的抗体によって内皮細胞が刺激された後にHLA-Iとインテグリンβ4サブユニットの間で分子会合が起こることを示す。このような細胞でインテグリンβ4をノックダウンすると、Akt、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)、およびSrcといったキナーゼのリン酸化と細胞増殖を刺激するHLA-Iの能力が失われた。同様に、HLA-I量を減少させると、インテグリンβ4によって仲介されるERKのリン酸化、および細胞外マトリックスの構成要素であるラミニン5上での内皮細胞の遊走も抑制された。これらの結果は、HLA-Iとインテグリンβ4サブユニットの間の相互依存が内皮細胞の増殖と遊走を刺激することを示唆しており、これは、移植脈管障害と腫瘍血管新生を促進するうえで重要であるかもしれない。

X. Zhang, E. Rozengurt, E. F. Reed, HLA Class I Molecules Partner with Integrin β4 to Stimulate Endothelial Cell Proliferation and Migration. Sci. Signal. 3, ra85 (2010).

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