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ATMはゲノムの安定性と炭素代謝をつなぐレドックスセンサーである

ATM Is a Redox Sensor Linking Genome Stability and Carbon Metabolism

Perspectives

Sci. Signal., 5 April 2011
Vol. 4, Issue 167, p. pe17
[DOI: 10.1126/scisignal.2001959]

Antje Krüger1 and Markus Ralser1,2*

1 Max Planck Institute for Molecular Genetics, Ihnestr 73, 14195 Berlin, Germany.
2 Cambridge Systems Biology Centre and Department of Biochemistry, University of Cambridge, 50 Tennis Court Road, Cambridge CB2 1GA, UK.

* Corresponding author. E-mail, ralser@molgen.mpg.de

要約:酸化ストレスに応答して、中心的な糖質代謝が再構成され、代謝の流束(flux)が解糖からペントースリン酸経路(PPP)へと変更される。これによって、細胞はこの細胞ストレスに対する有効な応答を開始することができるようになる。キナーゼの毛細血管拡張性失調症変異タンパク質(ataxia telangiectasia mutated:ATM)は、哺乳類細胞におけるこの代謝移行を調節する。ATMの活性化の際に、PPPの律速酵素であるグルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)は、熱ショックタンパク質27(Hsp27)と複合体を形成する。Hsp27は、G6PDH活性を亢進させ、NADP+からNADPHへの還元を増大させ、ヌクレオチドの合成を刺激した。したがって、ATMは、G6PDHとPPPの直接的な阻害因子である腫瘍抑制因子p53と拮抗する。DNA修復や細胞周期にける役割に加えて、ATMは、このように、真核生物におけるレドックス感知系の構成要素である。ゲノムの安定性、細胞周期、炭素異化を結びつけることによって、ATMは、がんに関連する細胞代謝の中心的な調節因子として浮上している。

A. Krüger, M. Ralser, ATM Is a Redox Sensor Linking Genome Stability and Carbon Metabolism. Sci. Signal. 4, pe17 (2011).

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