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プロテインキナーゼが細胞死を阻止する

Protein Kinases Curb Cell Death

Perspectives

Sci. Signal., 10 May 2011
Vol. 4, Issue 172, p. pe26
[DOI: 10.1126/scisignal.2001921]

Odile Filhol1,2,3 and Claude Cochet1,2,3*

1 INSERM, Unité 1036, Biology of Cancer and Infection, Grenoble, F-38054, France.
2 Université Joseph Fourier-Grenoble 1, Biology of Cancer and Infection, Grenoble, F-38041, France.
3 Commissariat á l’énergie atomique et aux énergies alternatives, Direction des Sciences du Vivant/institut de Recherches en Technologies et Sciences pour le Vivant, Biology of Cancer and Infection, Grenoble, F-38054, France.

* Corresponding author. E-mail, claude.cochet@cea.fr

要約:アスパラギン酸指向性カスパーゼのネットワークは、プログラム細胞死の実行において主要な役割を果たす。これまでの研究から、カスパーゼまたはその基質がリン酸化を受けることが確認されており、このことはプロテインキナーゼとカスパーゼのシグナル伝達経路が収斂している可能性を示唆する。多様なカスパーゼの基質だけでなく、いくつかのプロカスパーゼも、カスパーゼ切断部位に隣接する部位でリン酸化されると、切断から保護される。多くの異なるプロテインキナーゼがカスパーゼによる切断から基質を保護する可能性がある一方で、ある研究によって、プロテインキナーゼCK2がカスパーゼシグナル伝達経路を全般的に抑制する最も重要なキナーゼであることが確認されている。CK2は、様々な組織に由来する腫瘍の形成に関与するプロテインキナーゼネットワークの1構成要素である。多くのがんでCK2の調節異常が生じていること、またCK2が細胞増殖の促進とアポトーシスの抑制という二重の機能をもつことから、CK2は特に発癌性に関連していると考えられる。このように、本研究から、CK2が腫瘍形成に寄与する能力は、少なくともその一部は、カスパーゼとその標的をリン酸化する能力にあることが示唆される。

O. Filhol, C. Cochet, Protein Kinases Curb Cell Death. Sci. Signal. 4, pe26 (2011).

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