• ホーム
  • ペプチドに基づく標的探索によって、プロテインキナーゼCK2はカスパーゼシグナル伝達の全般的な調節に関連付けられる

ペプチドに基づく標的探索によって、プロテインキナーゼCK2はカスパーゼシグナル伝達の全般的な調節に関連付けられる

A Peptide-Based Target Screen Implicates the Protein Kinase CK2 in the Global Regulation of Caspase Signaling

Research Article

Sci. Signal., 10 May 2011
Vol. 4, Issue 172, p. ra30
[DOI: 10.1126/scisignal.2001682]

James S. Duncan1*, Jacob P. Turowec1*, Kelly E. Duncan1, Greg Vilk1, Chenggang Wu1, Bernhard Lüscher2, Shawn S.-C. Li1, Greg B. Gloor1, and David W. Litchfield1†

1 Department of Biochemistry, University of Western Ontario, London, Ontario, Canada N6A 5C1.
2 Institut fur Biochemie und Molekularbiologie, Medizinische Fakultat, Rheinisch-Westfalische Technische Hochschule, RWTH Aachen University, 52057 Aachen, Germany.

* These authors contributed equally to this work.

† To whom correspondence should be addressed. E-mail: litchfi@uwo.ca

要約:カスパーゼおよびプロテインキナーゼのシグナル伝達経路の収斂は、ますます明白になっている。これは、カスパーゼ基質が、カスパーゼ認識モチーフやその近傍においてリン酸化を受けると、切断から保護されることにより例示される。今回われわれは、カスパーゼシグナル伝達の調節においてリン酸化が果たす全般的な役割について検討するために、ペプチドマッチプログラムを考案し、カスパーゼとキナーゼに対して重複する認識モチーフを含む配列をヒトプロテオームから同定した。その結果、プロテインキナーゼCK2を、カスパーゼ認識モチーフと重複するリン酸化の共通部位を有するもっとも重要なキナーゼとして同定した。次に、ペプチドアレイ標的探索とカスパーゼ基質の同定を組み合わせることによって、CK2とカスパーゼの可能性のある標的について評価した。その結果、CK2と、プロカスパーゼ-3を含むカスパーゼが共有する数多くの候補標的を同定した。プロカスパーゼ-3は、内因性および外因性のアポトーシスシグナルが収斂するレベルで機能する。考え合わせると、これらのデータは、CK2に依存するリン酸化が、カスパーゼシグナル伝達経路を抑制する包括的な機構としての役割を果たすことを支持する。

J. S. Duncan, J. P. Turowec, K. E. Duncan, G. Vilk, C. Wu, B. Lüscher, S. S.- C. Li, G. B. Gloor, D. W. Litchfield, A Peptide-Based Target Screen Implicates the Protein Kinase CK2 in the Global Regulation of Caspase Signaling. Sci. Signal. 4, ra30 (2011).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2011年5月10日号

Editors' Choice

神経科学
リン酸化がスイッチになる

Research Article

ホスファターゼのメチル化が活性化されたブラシノステロイド受容体の脱リン酸化と分解を規定する

ペプチドに基づく標的探索によって、プロテインキナーゼCK2はカスパーゼシグナル伝達の全般的な調節に関連付けられる

Perspectives

PP2Aホスファターゼ:ブラシノステロイドシグナル伝達のオン・オフ調節スイッチ

プロテインキナーゼが細胞死を阻止する

最新のResearch Article記事

2025年12月02日号

シロイヌナズナ(Arabidopsis)において防御シグナルまたは傷害により誘発され局所伝播する細胞質Ca2+の波は、個別の機構により伝播する

2025年11月25日号

p16発現がサイクリンE1誘導性卵巣がんにおいてCDK2阻害薬に対する感受性を与える

2025年11月25日号

EGFR変異型肺がんにおいてSOS1の阻害はオシメルチニブ耐性の発現を抑制し、持続的効果を生じる

2025年11月18日号

IFN-Iシグナル伝達が放射線照射後の唾液腺幹細胞および前駆細胞の活性を高める

2025年11月11日号

SH2ドメイン含有シグナル伝達タンパク質SHP2およびSRCではイオン化可能なネットワークがpH依存性アロステリーを仲介する