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IKKε:シグナル伝達とメンブレントラフィックの交差点にあるキナーゼ

IKKε: A Kinase at the Intersection of Signaling and Membrane Traffic

Perspectives

Sci. Signal., 14 June 2011
Vol. 4, Issue 177, p. pe30
[DOI: 10.1126/scisignal.2002186]

Gwyn W. Gould*

Henry Wellcome Laboratory of Cell Biology; Institute for Molecular, Cell, and Systems Biology; College of Medical, Veterinary, and Life Sciences, Davidson Building, University of Glasgow, Glasgow G12 8QQ, Scotland.

* Corresponding author. Telephone, 44-141-330-5263; e-mail, gwyn.gould@glasgow.ac.uk

 

要約:メンブレントラフィックのイベントを空間的、かつ時間的に調整する能力は、生物学において根本的に重要である。極性輸送は、細胞質分裂、調節性エンドサイトーシス、細胞運動、形態形成などの多様な過程に必要不可欠であるが、細胞シグナル伝達系と輸送装置の接点は、あいまいなままである。ショウジョウバエ(Drosophila)の機械的刺激を受容する剛毛の成長を極性輸送の例として用いて、剛毛の先端における核因子Bキナーゼのサブタイプε阻害因子(IKKε)の局所的な活性化の役割、すなわちIKKεが剛毛の先端に出入りするリサイクリングエンドソーム小胞の輸送を調節することが明らかになった。IKKεは、Rab11のエフェクターのNuf(nuclear falloutによってコードされる)をリン酸化し、その際にNufとモータータンパク質ダイニンとの相互作用を調整した。ダイニンは、“モーター切り替え”機構によってメンブレントラフィックの方向性を調節する。哺乳類の系において同様の結果が得られることから、Rab11エフェクターのIKK依存的なリン酸化は、進化的に保存された機構であり、それによって細胞が極性成長を調節する可能性が示唆される。細胞質分裂における小胞輸送の研究は、エンドソームの分布を調節する一般的な機構としてのモーター切り替えの概念を支持する。他のRab11エフェクターのリン酸化も、他の実験系において極性輸送を調整することから、膜輸送の方向性を制御するために、同様の機構が広く用いられる可能性が示唆される。

G. W. Gould, IKK: A Kinase at the Intersection of Signaling and Membrane Traffic. Sci. Signal. 4, pe30 (2011).

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