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タンパク質-クロマチン間の相互作用の調節因子として働くホスホイノシチド

Phosphoinositides as Regulators of Protein-Chromatin Interactions

Perspectives

Sci. Signal., 1 May 2012
Vol. 5, Issue 222, p. pe19
[DOI: 10.1126/scisignal.2002917]

Keijo Viiri*†, Markku Mäki, and Olli Lohi

Paediatric Research Centre, University of Tampere, School of Medicine and Tampere University Hospital, 33520 Tampere, Finland.
† Present address: Division of Infection and Immunity and UCL Cancer Institute, University College London, London WC1E 6BT, UK.

* Corresponding author. E-mail: kviiri@yahoo.com ; k.viiri@ucl.ac.uk

要約:核内リン脂質の分子機能は部分的にしか解明されていない。エピジェネティックな研究が急増しているおかげで、ホスホイノシチドなどの核内リン脂質と、それらの遺伝子転写への関与についての関心が高まっている。しかし、ホスホイノシチドが転写を調節する機構については、分子レベルではまだわかっていない。ある特定のホスホイノシチド種がタンパク質-クロマチン間の相互作用とタンパク質-核酸間の相互作用を調節することがあり、特定の核内標的タンパク質が核内シグナル伝達脂質を遺伝子発現に結びつける。われわれは、ホスホイノシチドが仲介するタンパク質のクロマチンからの離脱が核内ホスホイノシチドのシグナル伝達作用の基礎の一部をなす一般的な生物学的機構であると提唱する。

K. Viiri, M. Mäki, O. Lohi, Phosphoinositides as Regulators of Protein-Chromatin Interactions. Sci. Signal. 5, pe19 (2012).

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