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膵β細胞は栄養素を「味わって」インスリンを分泌する?
Do Pancreatic β Cells "Taste" Nutrients to Secrete Insulin?
Sci. Signal., 28 August 2012
Vol. 5, Issue 239, p. pe36
[DOI: 10.1126/scisignal.2003325]
Jean-Claude Henquin*
Unit of Endocrinology and Metabolism, University of Louvain Faculty of Medicine, Avenue Hippocrate 55, B-1200 Brussels, Belgium
* Corresponding author. E-mail: jean-claude.henquin@uclouvain.be
要約:膵β細胞からのインスリン分泌は、栄養素、ホルモン、および神経伝達物質による制御を受ける。古典的受容体を介して働く後者2つとは異なり、グルコースや他のほとんどの栄養素は、膜受容体と相互作用するのではなく、インスリン分泌を誘導するためにβ細胞によって代謝されなければインスリン分泌を誘導できならない。研究によって、β細胞には、うま味受容体と甘味受容体、およびそれらの下流エフェクターの存在が明らかになっている。受容体が機能していることは、フルクトースと人工甘味料の作用として、舌の味蕾で発生するのと同様のシグナルが誘導されたことによって確認された。これらのシグナルは、グルコースの存在下でインスリン分泌の増大を媒介した。しかし、フルクトースまたは甘味料の血漿中濃度と、in vitroでのそれらの有効濃度との間には大きな差があることから、インスリン分泌におけるこれらの経路の生理学的意義は不明である。
J.-C. Henquin, Do Pancreatic β Cells "Taste" Nutrients to Secrete Insulin? Sci. Signal. 5, pe36 (2012).