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ショウジョウバエフェロモンの味覚感知に関与する性関連DEG/ENaCチャネル
Sexy DEG/ENaC Channels Involved in Gustatory Detection of Fruit Fly Pheromones
Sci. Signal., 6 November 2012
Vol. 5, Issue 249, p. pe48
[DOI: 10.1126/scisignal.2003555]
Claudio W. Pikielny*
Department of Genetics and Neuroscience Center, Geisel School of Medicine at Dartmouth, Hanover, NH 03755, USA.
* Corresponding author. E-mail: cwp@dartmouth.edu
要約:キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の角質に存在する炭化水素フェロモンは、雄の複雑な求愛行動を調節する。最近、ナトリウムチャネルサブユニットのデジェネリン/上皮型Na+チャネル(DEG/ENaC)ファミリーに属するPpk25、Ppk23、Ppk29(別名Nope)の3つが、求愛を調節する接触フェロモンの味覚感知において機能することがわかってきた。これら3つのタンパク質のすべてが、雌フェロモンによる雄の求愛の活性化に必要である。これらのうち2つの間の特異的相互作用が培養細胞で示されており、それらが共発現している一部の細胞では、これら3つのサブユニットが共通のヘテロ三量体DEG/ENaCチャネル内で機能することが示唆される。そのようなDEG/ENaCチャネルは、フェロモンによって直接的または間接的に開閉される、あるいはフェロモンを感知する細胞の興奮性を制御する可能性がある。さらに、これらの研究では、求愛を調節するフェロモンに対して特異的に応答し、雄の行動へのそれらの作用を媒介する味覚ニューロンが同定されている。F細胞、M細胞というフェロモンを感知する2種類の味覚ニューロンが、雌または雄のフェロモンに対する特異的な応答に基づいて定義されている。これらの報告は、接触フェロモンの味覚感知を媒介する分子的機構および細胞学的な機構の詳細な解析のきっかけとなる。
C. W. Pikielny, Sexy DEG/ENaC Channels Involved in Gustatory Detection of Fruit Fly Pheromones. Sci. Signal. 5, pe48 (2012).