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ベムラフェニブはBRAFV600Eメラノーマ細胞において小胞体ストレスを介するアポトーシスを強力に誘導する

Vemurafenib Potently Induces Endoplasmic Reticulum Stress–Mediated Apoptosis in BRAFV600E Melanoma Cells

Research Article

Sci. Signal., 29 January 2013
Vol. 6, Issue 260, p. ra7
[DOI: 10.1126/scisignal.2003057]

Daniela Beck1, Heike Niessner1, Keiran S. M. Smalley2, Keith Flaherty3, Kim H. T. Paraiso2, Christian Busch1, Tobias Sinnberg1, Sophie Vasseur4,5,6,7, Juan Lucio Iovanna4, Stefan Drießen8, Björn Stork8, Sebastian Wesselborg8, Martin Schaller1, Tilo Biedermann1, Jürgen Bauer1, Konstantinos Lasithiotakis1, Benjamin Weide1, Jürgen Eberle9, Birgit Schittek1, Dirk Schadendorf10, Claus Garbe1, Dagmar Kulms11,12, and Friedegund Meier1*

1 Division of Dermatologic Oncology, Department of Dermatology, University of Tübingen, 72076 Tübingen, Germany.
2 Departments of Molecular Oncology and Cutaneous Oncology, Moffitt Cancer Center & Research Institute, Tampa, FL 33612, USA.
3 Massachusetts General Hospital Cancer Center, Boston, MA 02114, USA.
4 Centre de Recherche INSERM, 13288 Marseille, France.
5 Institut Paoli-Calmettes, 13288 Marseille, France.
6 Aix-Marseille University, 13288 Marseille, France.
7 CNRS, UMR7258, CRCM, 13288 Marseille, France.
8 Institute of Molecular Medicine, University Hospital Düsseldorf, 40225 Düsseldorf, Germany.
9 Department of Dermatology and Allergy, Skin Cancer Center Charité, Charité–Universitätsmedizin Berlin, 10117 Berlin, Germany.
10 Department of Dermatology, University of Essen, 45122 Essen, Germany.
11 Institute of Cell Biology and Immunology, University of Stuttgart, 70569 Stuttgart, Germany.
12 Experimental Dermatology, Department of Dermatology, TU-Dresden, 01307 Dresden, Germany.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: friedegund.meier@t-online.de

要約:キナーゼのBRAFにおけるV600E変異は、黒色腫(メラノーマ)で頻繁に検出され、BRAFの恒常的活性化をもたらし、これは次に、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達経路による細胞増殖を促進する。BRAFV600Eキナーゼ阻害薬ベムラフェニブ(vemurafenib)は、BRAFV600E変異型黒色腫患者において顕著な抗腫瘍活性を有するが、その効果は薬物耐性の発生によって制限される。われわれは、BRAFV600E変異を有するメラノーマ細胞株をベムラフェニブに曝露することによって、抗アポトーシスタンパク質の存在量が減少し、内因性のミトコンドリア性アポトーシスが誘導されることを見出した。ベムラフェニブで処理したメラノーマ細胞では、サイトゾルのカルシウム濃度が上昇していた。サイトゾルのカルシウム濃度の上昇は、アポトーシスにつながる可能性のある小胞体(ER)ストレスの有力なトリガーである。小胞体ストレスが誘導する応答と一致して、ベムラフェニブは、小胞体シャペロンタンパク質であるグルコース制御性タンパク質78の存在量を減少させ、小胞体ストレス応答に関与する遺伝子を転写活性化させる転写因子Xボックス結合タンパク質1(XBP1)のスプライシング・アイソフォームの存在量を増大させ、タンパク質合成を阻害すると考えられる転写開始因子eIF2αのリン酸化を亢進させて、小胞体ストレス関連遺伝子の発現を誘導した。小胞体ストレス応答性タンパク質である活性化転写因子4(ATF4)をノックダウンしたところ、ベムラフェニブ誘導性アポトーシスが有意に低下した。さらに、小胞体ストレス誘導薬であるタプシガルギン(thapsigargin)は、ベムラフェニブ感受性のメラノーマ細胞により形成された腫瘍の浸潤性増殖をin vivoで抑制した。ベムラフェニブに対する感受性が低いメラノーマ細胞、あるいは耐性を有するメラノーマ細胞では、タプシガルギンとの併用投与によってアポトーシスが増強または誘導された。したがって、タプシガルギンあるいは他の小胞体ストレス誘導薬は、ベムラフェニブ耐性を克服する併用療法において有用かもしれない。

D. Beck, H. Niessner, K. S. M. Smalley, K. Flaherty, K. H. T. Paraiso, C. Busch, T. Sinnberg, S. Vasseur, J. L. Iovanna, S. Drießen, B. Stork, S. Wesselborg, M. Schaller, T. Biedermann, J. Bauer, K. Lasithiotakis, B. Weide, J. Eberle, B. Schittek, D. Schadendorf, C. Garbe, D. Kulms, F. Meier, Vemurafenib Potently Induces Endoplasmic Reticulum Stress–Mediated Apoptosis in BRAFV600E Melanoma Cells. Sci. Signal. 6, ra7 (2013).

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