• ホーム
  • μ-オピオイド受容体の細胞膜局在は時空間シグナル伝達を制御する

μ-オピオイド受容体の細胞膜局在は時空間シグナル伝達を制御する

Plasma membrane localization of the μ-opioid receptor controls spatiotemporal signaling

Research Article

Sci. Signal. 09 Feb 2016:
Vol. 9, Issue 414, pp. ra16
DOI: 10.1126/scisignal.aac9177

Michelle L. Halls1,*, Holly R. Yeatman1, Cameron J. Nowell1, Georgina L. Thompson1, Arisbel Batista Gondin1, Srgjan Civciristov1, Nigel W. Bunnett1,2,3,4, Nevin A. Lambert5, Daniel P. Poole1,6, and Meritxell Canals1,2,*

1 Drug Discovery Biology Theme, Monash Institute of Pharmaceutical Sciences, Monash University, Parkville, Victoria 3052, Australia.
2 ARC Centre of Excellence in Convergent Bio-Nano Science and Technology, Monash Institute of Pharmaceutical Sciences, Monash University, Parkville, Victoria 3052, Australia.
3 Department of Anesthesia and Perioperative Medicine, Monash University, Melbourne, Victoria 3004, Australia.
4 Department of Pharmacology, The University of Melbourne, Parkville, Victoria 3052, Australia.
5 Department of Toxicology and Pharmacology, Georgia Regents University, Augusta, GA 30912, USA.
6 Department of Anatomy and Neuroscience, The University of Melbourne, Parkville, Victoria 3052, Australia.

* Corresponding author. E-mail: michelle.halls@monash.edu (M.L.H.); meri.canals@monash.edu (M.C.)

要約  Gタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役型受容体であるμ-オピオイド受容体(MOR)の差次的制御は、モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬の臨床的制限作用に寄与する。われわれは、生物物理学的アプローチを用いて、異なるリガンドに応答した時空間MORシグナル伝達を定量化した。モルヒネは、MORを過剰発現するヒト胚腎臓(HEK)293細胞において、細胞膜局在タンパク質キナーゼC(PKC)活性のGβγ依存的増加を導き、それが細胞膜内MORの限局された分布をもたらし、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)による持続的な細胞質でのシグナル伝達を誘導した。対照的に、合成オピオイドペプチドDAMGO([d-Ala2,N-Me-Phe4,Gly5-ol]-enkephalin)は、受容体の細胞膜内再分布を引き起こすことができ、その結果、細胞質および核内ERK活性は一過的に増加し、ついで受容体の内在化が誘導された。GβγサブユニットまたはPKCα活性を阻害した場合、あるいは、MORのカルボキシル末端のリン酸化部位を変異させた場合、モルヒネ活性化MORはその限局された細胞膜局在部位から放出され、受容体内在化が起きない状況で細胞質および核内ERK活性を一過的に増加させた。このように、これらのデータは、MORの内在化ではなく、リガンド誘導性のMORの細胞膜内再分布が、その時空間シグナル伝達を制御することを示唆している。

Citation: M. L. Halls, H. R. Yeatman, C. J. Nowell, G. L. Thompson, A. B. Gondin, S. Civciristov, N. W. Bunnett, N. A. Lambert, D. P. Poole, M. Canals, Plasma membrane localization of the μ-opioid receptor controls spatiotemporal signaling. Sci. Signal. 9, ra16 (2016).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2016年2月9日号

Editor's Choice

がん
トリプルネガティブ乳がんにおけるLINKのつながり

Research Article

腫瘍と内皮細胞の相互作用のホスホプロテオミクス解析により経内皮遊走の制御機構を特定

μ-オピオイド受容体の細胞膜局在は時空間シグナル伝達を制御する

Reviews

細胞機能の全合成を目指して:合成生物学によって細胞ダイナミクスを再構成する

最新のResearch Article記事

2020年5月19日号

細胞外マトリックスタンパク質TasAは枯草菌(Bacillus subtilis)バイオフィルム内の運動性亜集団を維持する発生シグナルである

プロテインキナーゼAによる制御ネットワークは短命および長命の細胞記憶をコードする

2020年5月12日号

死を誘導するRIPK1活性はpH環境によって調整される

CD2シグナル伝達のホスホプロテオミクスは細胞傷害性T細胞における溶解顆粒極性化のAMPK依存性調節を明らかにする

2020年5月5日号

脊髄内のHsp90を阻害するとERK-RSK経路が活性化されることによってモルヒネの抗侵害受容作用が促進される