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3型自然リンパ球におけるNotchシグナル伝達はその可塑性を調節する
Notch signaling in group 3 innate lymphoid cells modulates their plasticity
Sci. Signal. 03 May 2016:
Vol. 9, Issue 426, pp. ra45
DOI: 10.1126/scisignal.aaf2223
Sylvestre Chea1,2,3, Thibaut Perchet1,2,3, Maxime Petit1,2,3, Thomas Verrier3,4, Delphine Guy-Grand1, Elena-Gaia Banchi1,2,3, Christian A. J. Vosshenrich3,4, James P. Di Santo3,4, Ana Cumano1,2,3, and Rachel Golub1,2,3,*
1 Lymphopoiesis Unit, Immunology Department, Institut Pasteur, 75015 Paris, France.
2 Université Paris Diderot, Sorbonne Paris Cité, Cellule Pasteur, 75015 Paris, France.
3 INSERM U1223, 75015 Paris, France.
4 Innate Immunity Unit, Immunology Department, Institut Pasteur, 75015 Paris, France.
* Corresponding author. Email: rachel.golub@pasteur.fr
要約 Notchシグナル伝達経路は、進化を通じて保存され、細胞運命決定、分化、および増殖などの様々な過程を制御する。自然リンパ球(ILCS)は、自然免疫および組織リモデリングにおけるエフェクターおよび調節機能を果たす抗原受容体を欠くリンパ系細胞である。3型ILCS(ILC3)は、上皮バリアを強化し、腸内細菌叢との恒常性を維持する。われわれは、マウスの天然細胞傷害受容体陽性(NCR+)ILC3の集団が、発生要求性の異なる2つのサブセットから構成されることを実証した。主要なサブセットは、小腸粘膜固有層におけるNCR− ILC3前駆細胞でのNotch2の活性化に依存し、その結果転写因子であるT-bet、RORγt、およびアリール炭化水素受容体(AhR)をコードする遺伝子の発現が促進された。Notchシグナル伝達は、より炎症誘発性であるサブセット、NCR+細胞へのNCR−細胞からの転換に、細胞自律的に寄与した。Notchシグナル伝達の非存在下では、NCR− ILC3のこのサブセットは、NCR+ ILC3の遺伝子発現プロファイルを獲得していなかった。NCR+ ILC3の第2のサブセットは、その発生あるいは転写因子の存在量の増加に、Notchを必要としなかった。しかしながら、そのサイトカイン産生およびNCRの細胞表面存在量は、Notchシグナル伝達の非存在下で減少した。合わせると、われわれのデータは、NotchがNCR+細胞の運命を制御することでILC3の可塑性を調節する因子であることを示唆する。
Citation: S. Chea, T. Perchet, M. Petit, T. Verrier, D. Guy-Grand, E.-G. Banchi, C. A. J. Vosshenrich, J. P. Di Santo, A. Cumano, R. Golub, Notch signaling in group 3 innate lymphoid cells modulates their plasticity. Sci. Signal. 9, ra45 (2016).