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睡眠時無呼吸のげっ歯類モデルにおいて頸動脈小体での活性酸素種による H2S 産生が高血圧を引き起こす

H2S production by reactive oxygen species in the carotid body triggers hypertension in a rodent model of sleep apnea

Research Article

Sci. Signal. 16 Aug 2016:
Vol. 9, Issue 441, pp. ra80
DOI: 10.1126/scisignal.aaf3204

Guoxiang Yuan1,*, Ying-Jie Peng1,*, Shakil A. Khan1, Jayasri Nanduri1, Amritha Singh1, Chirag Vasavda2,3,Gregg L. Semenza4,5, Ganesh K. Kumar1, Solomon H. Snyder2,3,6, and Nanduri R. Prabhakar1,†

1 Institute for Integrative Physiology and Center for Systems Biology for O2 Sensing, Biological Sciences Division, University of Chicago, Chicago, IL 60637, USA.
2 Department of Neuroscience, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
3 Department of Pharmacology and Molecular Sciences, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
4 Institute for Cell Engineering, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
5 Departments of Pediatrics, Medicine, Oncology, Radiation Oncology, and Biological Chemistry, and McKusick-Nathans Institute of Genetic Medicine, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
6 Department of Psychiatry and Behavioral Sciences, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.

Corresponding author. Email: nanduri@uchicago.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約  睡眠時無呼吸は高頻度にみられる呼吸器疾患であり、突発性の呼吸停止によって間欠性低酸素が引き起こされる。睡眠時無呼吸の患者と間欠性低酸素に曝露されたげっ歯類は高血圧を呈する。頸動脈小体は血中O2濃度の変化を感知し、頸動脈小体の化学受容性反射が増強されることが睡眠時無呼吸患者の高血圧に寄与している。睡眠時無呼吸患者の血中O2飽和プロファイルを模倣した間欠性低酸素のげっ歯類モデルでは、頸動脈小体での活性酸素種(ROS)の発生量が増加することによって化学受容性反射が増強され、高血圧が引き起こされることが示された。ヘムオキシゲナーゼ2(HO-2)によって生成されるCOは、シスタチオニンγリアーゼ(CSE)によって産生される硫化水素(H2S)を阻害するシグナル伝達経路を誘発し、頸動脈小体の活性を抑制する。われわれは、頸動脈小体と肝臓において、異種発現されたHO-2のヘム調節モチーフのCys265を必要とする機構を介して、ROSがHO-2によるCO産生を阻害することを見出した。間欠性低酸素によって誘発されたROSがCO産生を阻害し、頸動脈小体におけるH2S濃度を上昇させると、頸動脈小体の神経活動が促進される。げっ歯類では、CSEによるH2S合成を薬理学的手法または遺伝学的手法のいずれかで阻害すると、間欠性低酸素によって誘導される頸動脈小体の活性化と高血圧が阻害された。このように今回の結果は、オキシダントに誘導されるHO-2の不活性化が、頸動脈小体でのCSEに依存したH2S産生を促進させ、間欠性低酸素に曝露されたげっ歯類で高血圧を引き起こす重要なトリガーとなっていることを示している。

Citation: G. Yuan, Y.-J. Peng, S. A. Khan, J. Nanduri, A. Singh, C. Vasavda, G. L. Semenza, G. K. Kumar, S. H. Snyder, N. R. Prabhakar, H2S production by reactive oxygen species in the carotid body triggers hypertension in a rodent model of sleep apnea. Sci. Signal. 9, ra80 (2016).

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