• ホーム
  • 宿主のマイクロRNA miR-301aは日本脳炎ウイルス感染に対するIRF1媒介神経自然免疫応答を遮断する

宿主のマイクロRNA miR-301aは日本脳炎ウイルス感染に対するIRF1媒介神経自然免疫応答を遮断する

The host microRNA miR-301a blocks the IRF1-mediated neuronal innate immune response to Japanese encephalitis virus infection

Research Article

Sci. Signal. 14 Feb 2017:
Vol. 10, Issue 466, pp. eaaf5185
DOI: 10.1126/scisignal.aaf5185

Bibhabasu Hazra, Kanhaiya Lal Kumawat, and Anirban Basu*

National Brain Research Centre, Manesar, Haryana 122051, India.

* Corresponding author. Email: anirban@nbrc.ac.in

要約

ウイルス成分の効果的な認識とその後のI型インターフェロン(IFN)産生の刺激は、宿主抗ウイルス免疫の誘導に重要である。日本脳炎ウイルス(JEV)感染に応答して宿主がI型IFNを効率的に産生できないことは、その疾患が致命的になる確率の増加と関連する。JEVは、ヒトにおいて脳炎を引き起こすフラビウイルス科(Flaviviridae)の向神経性ウイルスである。JEV感染は、種々の生理学的および病理学的プロセスに関与する保存された非コードRNAであるマイクロRNAを含むいくつかの宿主因子によって調節される。われわれは、JEVによるmiR-301aの発現が、転写因子であるIFN調節因子1(IRF1)およびシグナル伝達タンパク質であるサイトカインシグナル伝達抑制因子5(SOCS5)の存在量を減少させることにより、I型IFNの産生阻害を導くことを示した。機構的には、JEV感染時のmiR-301a発現の誘導は、転写因子である核内因子κBを必要とした。マウス神経細胞において、miR-301aの中和は、IFN-β産生を可能にすることにより宿主自然免疫応答を回復させ、それによりウイルス増殖を制限した。マウスの脳におけるmiR-301aの阻害は、IRF1およびSOCS5の産生を救済し、IFN-βの生成を増加させ、JEV複製の度合いを減少させ、それによりマウスの生存を改善した。したがって、本研究は、JEVにより誘導されるmiR-301aの発現が、IFN産生を抑制することによりウイルス性発病を助長し、それが抗ウイルス療法の標的となる可能性を示唆する。

Citation: B. Hazra, K. L. Kumawat, A. Basu, The host microRNA miR-301a blocks the IRF1-mediated neuronal innate immune response to Japanese encephalitis virus infection. Sci. Signal. 10, eaaf5185 (2017).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2017年2月14日号

Editors' Choice

免疫療法としてのタモキシフェン

Research Article

宿主のマイクロRNA miR-301aは日本脳炎ウイルス感染に対するIRF1媒介神経自然免疫応答を遮断する

MDM2 E3リガーゼ活性のアセチル化依存性調節が発がん機能を決定する

Research Resources

ハイスループットな画像スクリーニングによる褐色脂肪細胞の発達に関与するキナーゼの特定

最新のResearch Article記事

2025年03月11日号

骨髄のサーチュイン6欠損はノルエピネフリンの分解を誘導することによって発熱性組織機能を制限してマウスの肥満を引き起こす

2025年03月11日号

NEMOはキナーゼIKKαおよびATMのDNA損傷部位への誘導に不可欠である

2025年03月04日号

アセチルトランスフェラーゼGCN5はミクログリア細胞でNF-κBサブユニットp65をアセチル化して活性化することによりマウスの神経炎症に寄与する

2025年02月25日号

グルタミン酸作動性のアルゴノート2がマウスにおいて神経血管ユニットの形成を促進する

2025年02月18日号

バソプレシン2型受容体が媒介する持続的Gαsシグナル伝達はリガンド依存性だがエンドサイトーシスとβ-アレスチンには依存しない