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受容体チロシンキナーゼTrkBは細胞膜で二量体を形成することなくシグナルを伝達する

The receptor tyrosine kinase TrkB signals without dimerization at the plasma membrane

Research Article

Sci. Signal. 08 May 2018:
Vol. 11, Issue 529, eaao4006
DOI: 10.1126/scisignal.aao4006

Eitan Erez Zahavi1,*, Noam Steinberg1, Topaz Altman1, Michael Chein1,2, Yuvraj Joshi1,†, Tal Gradus-Pery1, and Eran Perlson1,2,‡

1 Department of Physiology and Pharmacology, Sackler Faculty of Medicine, Tel-Aviv University, Tel-Aviv 6997801, Israel.
2 Sagol School of Neuroscience, Tel-Aviv University, Tel-Aviv 6997801, Israel.

‡ Corresponding author. Email: eranpe@post.tau.ac.il

* Present address: Division of Cell Biology, Faculty of Science, Utrecht University, Utrecht 3584, Netherlands.

† Present address: INSERM U1051, Institute for Neurosciences of Montpellier, University of Montpellier, 34091 Montpellier, France.

要約

トロポミオシン関連チロシンキナーゼB(TrkB)は、脳由来神経栄養因子(BDNF)の受容体であり、哺乳類の神経系の発達と機能を支援する重要なシグナル伝達を提供する。他の受容体チロシンキナーゼ(RTK)と同じく、TrkBは二量体としてシグナルを伝達するものと思われている。われわれは、細胞イメージングと生化学アッセイを用いて、TrkBが細胞膜においてBDNFとの結合や初期活性化に関係なく単量体受容体として機能することを見出した。二量体は、TrkB単量体が内部移行し、BDNF含有エンドソーム内に蓄積した後でようやく形成された。われわれはさらに、ダイナミンに媒介されるTrkB-BDNFのエンドサイトーシスは、キナーゼAKTの有効な活性化には必要であるが、キナーゼERK1/2の活性化には必要ないことを示した。このように本稿では、これまで特徴付けられていなかったRTKの単量体シグナル伝達法と、TrkBのホモ二量体化においてエンドソームが果たす特異的な役割について報告する。

Citation: E. E. Zahavi, N. Steinberg, T. Altman, M. Chein, Y. Joshi, T. Gradus-Pery, E. Perlson, The receptor tyrosine kinase TrkB signals without dimerization at the plasma membrane. Sci. Signal. 11, eaao4006 (2018).

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