• ホーム
  • 基質のトポロジーシグナルに対する有糸分裂細胞の応答は接着の分子的性質に依存しない

基質のトポロジーシグナルに対する有糸分裂細胞の応答は接着の分子的性質に依存しない

Mitotic cell responses to substrate topological cues are independent of the molecular nature of adhesion

Research Article

Sci. Signal. 25 Feb 2020:
Vol. 13, Issue 620, eaax9940
DOI: 10.1126/scisignal.aax9940

Ouranio Anastasiou, Rania Hadjisavva, and Paris A. Skourides*

Department of Biological Sciences, University of Cyprus, University Avenue 1, New Campus, Nicosia 2109, Cyprus.

* Corresponding author. Email: skourip@ucy.ac.cy

要約

細胞分裂軸の正確な選択は、細胞の分化、組織および臓器の形態形成、恒常性に重要である。フィブロネクチンなどの細胞外マトリックス(ECM)成分との相互作用を仲介するインテグリンと、細胞間の相互作用を仲介するカドヘリンの両方が、紡錘体配向の決定に関与する。われわれは、カドヘリンによる接着とインテグリンによる接着の両方が、付着面に平行な細胞分裂をもたらし、空間的な接着シグナルに対して同一の紡錘体の応答を引き起こすことを見出した。このことから、接着のトポロジーが、接着複合体からの相互作用またはシグナルの分子的性質に依存しない、純粋に機械的な空間シグナルを供給することが示唆される。われわれはさらに、細胞表層のインテグリン活性化が、カドヘリンとフィブロネクチンの基質両方において、正確な紡錘体配向に不可欠であることも示した。これらのデータから、接着のトポロジーに対する紡錘体配向の応答は、主に細胞表層における力の異方性の結果であることが示唆され、インテグリンがこの過程において、細胞-ECM相互作用での役割とは異なる、中心的な役割を果たすことが示されている。

Citation: O. Anastasiou, R. Hadjisavva, P. A. Skourides, Mitotic cell responses to substrate topological cues are independent of the molecular nature of adhesion. Sci. Signal. 13, eaax9940 (2020).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2020年2月25日号

Editors' Choice

ステロイドが炎症組織の粘着性を低下させる

Research Article

基質のトポロジーシグナルに対する有糸分裂細胞の応答は接着の分子的性質に依存しない

統合解析はNF-κBダイナミクスの細胞型特異的デコードを示唆

最新のResearch Article記事

2025年10月21日号

損傷誘導性微小環境(ニッチ)因子Cxcl12およびShh/Ihhが頭頂骨の再生過程で縫合幹細胞の活性化を協調させる

2025年10月21日号

PARP1を介したTEAD4のポリ(ADPリボシル)化がYAP1-TEAD4複合体を安定化し、乳がん細胞の増殖と免疫回避を促進する

2025年10月14日号

E3ユビキチンリガーゼZNRF3はWNT結合FZDの選択的分解を刺激することでWNT受容体複合体の活性を制限している

2025年10月14日号

セナタキシンは抗原受容体遺伝子多様化時の組換え精度を高める

2025年10月07日号

異所性ヘッジホッグシグナル伝達軸が遺伝性多発性骨軟骨腫マウスモデルにおいて指向性腫瘍増殖を駆動する