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成長因子依存性のErbB小胞ダイナミクスが受容体シグナル伝達を空間的・機能的に異なるErkプールに結び付ける

Growth factor-dependent ErbB vesicular dynamics couple receptor signaling to spatially and functionally distinct Erk pools

Research Article

Science Signaling 18 May 2021:
Vol. 14, Issue 683, eabd9943
DOI: 10.1126/scisignal.abd9943

Yannick Brüggemann1,2†, Lisa S. Karajannis1, Angel Stanoev1‡, Wayne Stallaert1§, Philippe I. H. Bastiaens1,2*

  1. 1 Department of Systemic Cell Biology, Max Planck Institute of Molecular Physiology, Otto-Hahn-Str.11, 44227 Dortmund, Germany.
  2. 2 Faculty of Chemistry and Chemical Biology, TU Dortmund, Otto-Hahn-Str. 6, 44227 Dortmund, Germany.

* Corresponding author. Email: philippe.bastiaens@mpi-dortmund.mpg.de

† Present address: Department of Molecular and Medical Virology, Faculty of Medicine, Ruhr-University Bochum, 44801 Bochum, Germany.

‡ Present address: Janelia Research Campus, Howard Hughes Medical Institute, Ashburn, Virginia 20147, USA.

§ Present address: Department of Genetics, University of North Carolina, Chapel Hill, NC 27599-7264, USA.

要約

成長因子依存性の小胞ダイナミクスによって、細胞は、成長因子受容体の空間分布、そして細胞応答を導く下流シグナル伝達エフェクターへのそれらの結合を調節することができる。われわれは、ErbBリガンドである上皮成長因子(EGF)とヘレグリン(HRG)が、対応する受容体の活性に個別の時空間的パターンを生成し、細胞外シグナル制御キナーゼ(Erk)の異なる細胞内プールを活性化することを見出した。受容体チロシンキナーゼErbB2/ErbB3の持続的な細胞膜活性によって、足場タンパク質KSRと複合体を形成したErkにシグナルが伝わり、HRG刺激時に遊走誘発性のEphA2リン酸化と細胞運動が促進された。一方、受容体を飽和させるEGF刺激を与えると、EGF受容体(EGFRまたはErbB1)のエンドソームに向かう速やかな内部移行によって、細胞質Erkの増殖誘導性の一過性活性化が生じた。逆説的に、低EGF濃度では、細胞膜における活性型リン酸化EGFRの定常状態量を維持する小胞リサイクリングによって、KSRと複合体を形成したErkに仲介される遊走誘発性シグナル伝達が持続した。したがって、リガンドのアイデンティティーと濃度がErbB小胞ダイナミクスの決定に及ぼす影響が、細胞が空間的に異なるErkプールを介して成長因子の組成を伝達し、機能的に多様な細胞応答を可能にするための機構を構成している。

Citation: Y. Brüggemann, L. S. Karajannis, A. Stanoev, W. Stallaert, P. I. H. Bastiaens, Growth factor-dependent ErbB vesicular dynamics couple receptor signaling to spatially andvfunctionally distinct Erk pools. Sci. Signal. 14, eabd9943 (2021).

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