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IRF1はISGF3またはGAFと協働してマクロファージにおいて自然免疫の新規エンハンサーを形成する
IRF1 cooperates with ISGF3 or GAF to form innate immune de novo enhancers in macrophages
SCIENCE SIGNALING
7 Jan 2025 Vol 18, Issue 868
[DOI: 10.1126/scisignal.ado8860]
Carolina Chavez1, 2, Kelly Lin2, Alexis Malveaux2, Aleksandr Gorin3, Stefanie Brizuela4, Quen J. Cheng3, *, Alexander Hoffmann2, *
- 1 Molecular and Medical Pharmacology PhD Program, UCLA, Los Angeles, CA, USA.
- 2 Department of Microbiology, Immunology and Molecular Genetics, UCLA, Los Angeles, CA, USA.
- 3 Department of Medicine, David Geffen School of Medicine at UCLA, Los Angeles, CA, USA.
- 4 Molecular Biology PhD Program, UCLA, Los Angeles, CA, USA.
- * Corresponding author. Email: quencheng@ucla.edu (Q.J.C.); ahoffmann@ucla.edu (A.H.)
Editor's summary
マクロファージは、部分的に、刺激特異的エンハンサーの形成によって媒介されるエピジェネティックな変化を経ることにより、病原体への以前の曝露に適応する。関連するヒストン修飾および転写因子活性の変化により、同じ刺激へのその後の曝露に対する応答を決定する免疫記憶が生成される。Chavezらは、シグナル伝達ネットワーク解析および異なる転写因子を欠損した初代マウスマクロファージのエピゲノムプロファイリングにより、IRF転写因子ファミリーの異なる構成因子がエピジェネティックリモデリングに及ぼす時間的および組み合わせ的な影響を決定した。合わせると、これらの知見は、IRF1が他の転写因子との組み合わせでマクロファージのエピジェネティック再プログラムを媒介する仕組みを示している。—John F. Foley
要約
免疫刺激にさらされたマクロファージは、エピゲノムを再プログラムしてその後の機能を変化させる。細菌のリポ多糖(LPS)にさらされると、広範にわたるヌクレオソームのリモデリングと、何千もの新規エンハンサーの形成が引き起こされる。われわれは、インターフェロン調節因子(IRF)のネットワークがクロマチンの開口新規エンハンサーの形成を誘導する調節機構を詳細に解析した。われわれは、LPS活性化IRF3が、I型インターフェロン(IFN)誘導性ISGF3を活性化することにより、間接的に新規エンハンサー形成を媒介することを発見した。しかしながら、特にクロマチンがアクセスしにくい場所では、ISGF3は一般にIRF1と協働する必要があった。これらの場所では、クロマチンの最初の開口にIRF1が必要であり、アクセス性を高め、H3K4me1の沈着を促進するISGF3と共に、準備が整ったエンハンサーをマークした。IRF1の発現は転写因子NF-κBに依存し、NF-κBは感染細胞では活性化されるが傍観者細胞では活性化されないため、IRF調節エンハンサーには自然免疫シグナル伝達ネットワークのIRF3およびNF-κBブランチの両方の活性化が必要であった。しかしながら、典型的にはT細胞によって生成されるII型IFN(IFN-γ)も、STAT1ホモ二量体GAFを介してIRF1発現を誘導する可能性がある。IFN-γ刺激により、IRF1はアクセスできないクロマチンサイトを開く役割も果たし、その後GAFがこれを利用して新規エンハンサーを形成できることを示した。合わせるとこれらの結果は、IRF1-ISGF3またはIRF1-GAFの組み合わせ論理回路によって、免疫エピゲノム記憶の形成が病原体にさらされたマクロファージまたはIFN-γ分泌T細胞に制限され、I型IFNに一過的にさらされた傍観者マクロファージにはないことを明らかにした。