• ホーム
  • Hox-C12はβ2-アドレノセプターのcAMP/カルシウムフィードフォワードループとの共役を調整してトリプルネガティブ乳がんの浸潤を促進する

Hox-C12はβ2-アドレノセプターのcAMP/カルシウムフィードフォワードループとの共役を調整してトリプルネガティブ乳がんの浸潤を促進する

Hox-C12 coordinates β2-adrenoceptor coupling to a cAMP/calcium feedforward loop to drive invasion in triple-negative breast cancer

Research Article

SCIENCE SIGNALING
19 Aug 2025 Vol 18, Issue 900
DOI: 10.1126/scisignal.adq8279

Terrance Lam1, Bailey Cardwell1, †, Bonan Liu1, Cheng Peng1, Mia Spark1, Sandra Sursock1, ‡, Cameron J. Nowell1, Andrew M. Ellisdon2, Aeson Chang1, Alastair C. Keen1, Erica K. Sloan1, Michelle L. Halls1, *

  1. 1 Drug Discovery Biology Theme, Monash Institute of Pharmaceutical Sciences, Monash University, Parkville 3052, Victoria, Australia.
  2. 2 Cancer Program, Biomedicine Discovery Institute, Monash University, Clayton 3800, Victoria, Australia.
  3. † Present address: Department of Immunology, School of Translational Medicine, Monash University, Melbourne 3004, Victoria, Australia.
  4. ‡ Present address: Melbourne School of Population and Global Health, Department of General Practice and Primary Care, Melbourne Medical School, University of Melbourne, Parkville 3010, Victoria, Australia.
  5. * Corresponding author. Email: michelle.halls@monash.edu

Editor's summary

トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の患者において、無再発生存期間の延長は、β2-アドレナリン受容体(β2AR)を阻害する心血管治療薬であるβ-遮断薬の使用と相関する。Lamらは、転写因子Hox-C12が、β2ARを浸潤促進性のcAMPおよびカルシウムシグナル伝達と共役させるが、その様式は一見転写と関係無さそうであることを見出した。腫瘍内のHOXC12発現は、患者の生存率の悪化と相関したことから、予後および治療バイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。—Leslie K. Ferrarelli

要約

交感神経細胞から放出されるノルアドレナリンは、腫瘍細胞のβ2-アドレナリン受容体(β2-アドレノセプター)を活性化して浸潤を促進することによって、がんの転移を加速する。われわれは以前に、β2-アドレノセプターが、転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)細胞株において、cAMPおよびカルシウムを介するフィードフォワードループを活性化することによって浸潤挙動を促進することを示した。今回われわれは、β2-アドレノセプターが活性を有するTNBC細胞株の大半において、この機構を見出した。トランスクリプトームデータセットの統合解析により、発生に関わるホメオボックス転写因子をコードするHOXC12が、フィードフォワードループを有する細胞株と有さない細胞株とを分離するもっとも識別能の高い遺伝子であることが明らかになった。HOXC12の高発現は、cAMPまたはカルシウムシグナル伝達に関連する内在性タンパク質の転写の変化とは相関せず、免疫染色ではHox-C12の細胞質局在化が示されたことから、非転写的な役割を果たすことが示唆された。培養TNBC細胞において、HOXC12をノックアウトすると、β2-アドレノセプターを介するカルシウムシグナル伝達と浸潤が阻害された。基底乳がんにおいて、腫瘍内のHOXC12発現に、患者の全生存および無病生存期間との負の相関が認められた。これらの結果は、β2-アドレノセプター応答性のTNBC細胞においてcAMPおよびカルシウムシグナル伝達によって駆動される浸潤の調整に重要なメディエーターとして、Hox-C12を同定するものである。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2025年8月19日号

Research Article

Hox-C12はβ2-アドレノセプターのcAMP/カルシウムフィードフォワードループとの共役を調整してトリプルネガティブ乳がんの浸潤を促進する

アミリン受容体サブユニットの相互作用はアゴニストによって調節されシグナル伝達を決定する

最新のResearch Article記事

2026年02月10日号

トリプルネガティブ乳がんではmTORC2構成要素PRR5によるIQGAP1の安定化が分裂促進性のLINC01133-ERKシグナル伝達を媒介している

2026年02月10日号

急性白血病における発がん性チロシンキナーゼシグナル伝達の動的フィードバック調節

2026年02月03日号

潰瘍性大腸炎におけるサイトカインネットワークを解読して発症機構と治療標的を特定する

2026年02月03日号

胎児栄養膜細胞マーカーHLA-Gは受容体KIR2DL4を介して一次NK細胞におけるI型インターフェロン応答を活性化する

2026年01月27日号

EGFRの活性化が三叉神経のNMDA受容体の感受性を高め、口腔がんにおける疼痛とモルヒネ鎮痛耐性を促進している