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脱アセチル化酵素SIRT1が腫瘍形成と心肥大の際にAktとPDK1の膜局在化と活性化を促進する

The Deacetylase SIRT1 Promotes Membrane Localization and Activation of Akt and PDK1 During Tumorigenesis and Cardiac Hypertrophy

Research Article

Sci. Signal., 19 July 2011
Vol. 4, Issue 182, p. ra46
[DOI: 10.1126/scisignal.2001465]

Nagalingam R. Sundaresan1, Vinodkumar B. Pillai1, Don Wolfgeher2, Sadhana Samant1, Prabhakaran Vasudevan3, Vishwas Parekh3, Hariharasundaram Raghuraman4, John M. Cunningham3, Madhu Gupta5, and Mahesh P. Gupta1*

1 Department of Surgery, Committee on Cellular and Molecular Physiology, University of Chicago, 5841 South Maryland Avenue, Chicago, IL 60637, USA.
2 Department of Molecular Genetics and Cell Biology, University of Chicago, Chicago, IL 60637, USA.
3 Department of Pediatrics, Committee on Developmental Biology, University of Chicago, Chicago, IL 60637, USA.
4 Department of Biochemistry and Molecular Biology, University of Chicago, Chicago, IL 60637, USA.
5 Department of Physiology and Biophysics, University of Illinois, Chicago, IL 60607, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: mgupta@surgery.bsd.uchicago.edu

要約:Aktキナーゼを介するシグナル伝達は、多くの生物学的機能を調節する。上流キナーゼのPDK1(ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1)によるAktの膜局在化とリン酸化を促進するホスファチジルイノシトール-3,4,5-トリスリン酸(PIP3)へのAktの結合を必要とする過程を介して、Aktは増殖因子刺激時に活性化される。われわれは、AktとPDK1が、PIP3との結合を仲介するプレクストリン相同ドメイン内のリジン残基でアセチル化されることを示す。アセチル化はAktとPDK1がPIP3に結合するのを妨げ、それによってAktの膜局在化とリン酸化を阻止した。SIRT1による脱アセチル化は、AktとPDK1のPIP3への結合を亢進させ、それらの活性化を促進した。恒常的にアセチル化された状態を模倣する変異型Aktを発現する細胞を注入したマウスでは、野生型Aktを発現する細胞を注入したマウスよりも小さい腫瘍が形成された。さらに、SIRT1欠損マウスの心臓においてAkt活性化が損なわれると、肉体運動やアンジオテンシンIIに応答する心肥大の低下と相関していた。これらの知見は、Aktの基本的な翻訳後修飾が、Aktの発がん活性と心肥大化活性にとって重要であることを明らかにしている。

N. R. Sundaresan, V. B. Pillai, D. Wolfgeher, S. Samant, P. Vasudevan, V. Parekh, H. Raghuraman, J. M. Cunningham, M. Gupta, M. P. Gupta, The Deacetylase SIRT1 Promotes Membrane Localization and Activation of Akt and PDK1 During Tumorigenesis and Cardiac Hypertrophy. Sci. Signal. 4, ra46 (2011).

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