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i2によるシグナル伝達は骨格筋肥大、筋芽細胞の分化、および筋再生を促進する

i2 Signaling Promotes Skeletal Muscle Hypertrophy, Myoblast Differentiation, and Muscle Regeneration

Research Article

Sci. Signal., 29 November 2011
Vol. 4, Issue 201, p. ra80
[DOI: 10.1126/scisignal.2002038]

Giulia C. Minetti1, Jerome N. Feige1, Antonia Rosenstiel1, Florian Bombard1, Viktor Meier1, Annick Werner1, Frederic Bassilana1, Andreas W. Sailer1, Peter Kahle1, Christian Lambert1, David J. Glass2*, and Mara Fornaro1*

1 Novartis Institutes for Biomedical Research, Forum 1, Novartis Campus, 4056 Basel, Switzerland.
2 Novartis Institutes for Biomedical Research, 100 Technology Square, Cambridge, MA 02139, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: mara.fornaro@novartis.com (M.F.); david.glass@novartis.com (D.J.G.)

要約:骨格筋の萎縮によって筋力が低下し、死亡リスクが増大する。われわれは、Gタンパク質(ヘテロ三量体のグアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役受容体を活性化するリゾホスファチジン酸が、Gαi2の活性化を介して骨格筋肥大を促進することを見いだした。Gαi2の恒常的活性型変異体の発現は、筋管の成長と分化を促進し、この作用には、転写因子のるNFAT(活性化T細胞核因子)とプロテインキナーゼCを必要であった。さらに恒常的活性型Gαi2変異体の発現は、悪液質誘発性のサイトカインTNFα(腫瘍壊死因子α)によって引き起こされる萎縮を抑制した。この抑制は、E3ユビキチンリガーゼのMuRF1(muscle ring finger 1)をコードするmRNA量の増大を抑制することを介していた。また、Gαi2は筋再生を促進し、遅筋線維への切り替えを引き起こした。このように、われわれの研究から、骨格筋の肥大と分化を促進する経路が明らかになり、Gαi2誘導性シグナル伝達は、MuRF1を介する萎縮に対して拮抗的な働きをする可能性が示された。このことは、Gαi2を介して作用する受容体が、骨格筋の消耗を防ぐための標的になり得ることを示唆する。

G. C. Minetti, J. N. Feige, A. Rosenstiel, F. Bombard, V. Meier, A. Werner, F. Bassilana, A. W. Sailer, P. Kahle, C. Lambert, D. J. Glass, M. Fornaro, Gαi2 Signaling Promotes Skeletal Muscle Hypertrophy, Myoblast Differentiation, and Muscle Regeneration. Sci. Signal. 4, ra80 (2011).

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