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Wnt/β-カテニンシグナル伝達とAXIN1は、ヒト黒色腫において変異型キナーゼBRAFV600Eの阻害によって引き起こされるアポトーシスを調節する

Wnt/β-Catenin Signaling and AXIN1 Regulate Apoptosis Triggered by Inhibition of the Mutant Kinase BRAFV600E in Human Melanoma

Research Article

Sci. Signal., 10 January 2012
Vol. 5, Issue 206, p. ra3
[DOI: 10.1126/scisignal.2002274]

Travis L. Biechele1,2, Rima M. Kulikauskas2, Rachel A. Toroni2, Olivia M. Lucero2, Reyna D. Swift2, Richard G. James1, Nick C. Robin1, David W. Dawson3, Randall T. Moon1*, and Andy J. Chien1,2*

1 Department of Pharmacology, Howard Hughes Medical Institute, and the Institute for Stem Cell and Regenerative Medicine, University of Washington School of Medicine, Seattle, WA 98109, USA.
2 Division of Dermatology, University of Washington School of Medicine, Seattle, WA 98195, USA.
3 Department of Pathology and Laboratory Medicine, The David Geffen School of Medicine, University of California, Los Angeles, Los Angeles, CA 90095, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: andchien@uw.edu (A.J.C.); rtmoon@uw.edu (R.T.M.)

要約:Wnt/β-カテニンシグナル伝達経路は、黒色腫の発生と患者の生存に関連があるので、この経路を調節するキナーゼに対する理解を深めるために、黒色腫細胞においてキノーム低分子干渉RNA(siRNA)スクリーニングを実施した。その結果、多くの黒色腫においてBRAFV600E変異によって恒常的に活性化されているBRAFシグナル伝達が、ヒト黒色腫細胞のWnt/β-カテニンシグナル伝達を抑制することを見いだした。BRAFV600Eの阻害薬が現在進行中の臨床治験で有望なので、われわれはWnt/β-カテニンシグナル伝達を変化させることで、BRAFV600E阻害薬PLX4720の有効性が高まるかどうかについて検討した。その結果、PLX4720が誘導する黒色腫細胞のアポトーシスには内因性β-カテニンが必要であること、およびWnt/β-カテニンシグナル伝達の活性化がPLX4720と協同してin vivoで腫瘍の成長を低下させ、in vitroでアポトーシスを促進することを見いだした。このように相乗的なアポトーシスの亢進は、β-カテニンの内因性の負の調節因子であるAXIN1の存在量の低下と相関していた。AXIN1はアポトーシスのマーカーというよりもメディエーターであるという仮説を裏付けて、AXIN1に対するsiRNAは、耐性黒色腫細胞株に、BRAFV600E阻害薬による処理に反応したアポトーシスに対する感受性を回復させた。このように、Wnt/β-カテニンシグナル伝達とAXIN1は、BRAFV600E阻害薬の有効性を調節するかもしれない。このことから、Wnt/β-カテニン経路の操作は、黒色腫の治療のためにBRAF阻害薬と組み合わせて用いられる可能性があることが示唆される。

T. L. Biechele, R. M. Kulikauskas, R. A. Toroni, O. M. Lucero, R. D. Swift, R. G. James, N. C. Robin, D. W. Dawson, R. T. Moon, A. J. Chien, Wnt/β-Catenin Signaling and AXIN1 Regulate Apoptosis Triggered by Inhibition of the Mutant Kinase BRAFV600E in Human Melanoma. Sci. Signal. 5, ra3 (2012).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

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2012年1月10日号

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