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薬剤応答の別経路化:KRAS変異がんの代謝的適応を克服する

Rerouting the drug response: Overcoming metabolic adaptation in KRAS-mutant cancers

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SCIENCE SIGNALING
18 Oct 2022 Vol 15, Issue 756
DOI: 10.1126/scisignal.abj3490

Deborah Y. Moss, Christopher McCann, Emma M. Kerr*

Patrick G Johnston Centre for Cancer Research, Queen's University Belfast, Belfast, BT9 7AE Northern Ireland, UK.

* Corresponding author. Email: emma.kerr@qub.ac.uk

要約

グアノシントリホスファターゼであるKRASの変異は、肺がん、結腸直腸がん、膵がんでよくみられる。変異型KRASとその下流シグナル伝達経路の恒常的な活性は、腫瘍細胞の代謝再配線を誘導し、既存の治療薬への抵抗性を促進する可能性がある。このレビューでは、治療に反応して変化し、それによって治療の有効性を変化させうる代謝経路を論じるとともに、KRAS駆動性がんの治療応答性の決定において腫瘍微小環境(TME)内の代謝が果たす役割を考察する。これらの進行性がん患者において、治療抵抗性を克服し、生存率を向上させるための臨床的機会をもたらす可能性がある、代謝標的に注目する。

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